破けた隙間から覗いてみよう
窓から見ると雨は降ってないのに
ガラスに映った人影
羨ましい…
羨ましい…
合わせると感染してしまいそうになる
腕から溢れる赤い蟻の群れ
君のいなくなった部屋で
他にすることもないから眺めてる
床を汚しても文句を言う人はもう
いない
引き出しに君が残していったミドリのあめ玉がある
角っこに住み着いたちいさい魂
屋根裏から垂れてきてる
天井を走り回る赤ん坊
助けて…
助けて…
ふいに何かを思い出したような気がする
気が遠くなるような痛みが脈打って
離れない
君のいなくなった部屋で
2004/06/23 (Wed)