ホーム > 詩人の部屋 > 拓の部屋 > 切

拓の部屋


[38] 
詩人: [投票][編集]


優しい手がずっと頭を抱いてくれた
全て涙で暗く霞んでよく見えない
目の上を撫でる仕草が過去とダブる
それが誰か
もうわからない
恋人だったのか
母親だったのか
それとも
妄想の人だったのか
ちぎれないでプラプラぶら下がっている
肉を切るような
感触…
勝手に入り込んだ異物を引きずり出す
破けて痛い
あぁわかったよ
俺が間違ってたんだね
隠された期待に気付いてやれなくてごめんよ
最期には背中を押してくれた
感謝してるよ
大丈夫このままなら
誰にもバレない
捕まらない
分かるはずがない
誰も届かない部屋で
殺り遂げよう
一人じゃないよ
永遠に一緒だよ
名前も知らない僕のママ
あまりに簡単だ
振り返るも虚しい程下らない人生だった

2004/07/21 (Wed)

前頁] [拓の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -