詩人:空風 | [投票][編集] |
呼んでいるのか
呼ばれているのか
夜深く
胸の奥の
魂のささやきに
耳をすます
昼間の檻を
すり抜けて
深夜の魂は
気ままな散歩
時を超え
所を超え
私の殻を脱ぎ捨てて
見えぬ景色に
胸踊らせ
聞こえぬメロディに
酔いしれる
誰かに
話しかけているような
誰かに
話しかけられているような
誰かを
探しているような
誰かに
探されているような
私が
私であるような
私が
私でないような
呼んでいるのか
呼ばれているのか
静かな夜更けの
魂のささやき
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心の底に湧いた
暗い思いを
魂の暖炉にくべて
燃え上がる炎で
まだ見ぬ
明日を照らす
迷いよ!
苦しみよ!
思いのままに
湧くがいい!
すべて燃え盛る
魂の暖炉に投げ込んで
明日という日を
照らし出す
炎を作る
薪にしよう!
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人が
ともしびに
心ひかれるのは
お互い
見たこともない
遠い太古の昔の
記憶を持っているから
吹けば消える
ともしび
終われば消える
命
それでも何ひとつ変わらない
永遠に
つながっているから
静かに燃える
ともしびが
心の殻を焼き払い
片隅で
うつむいていた魂を
暖かく
照らしてくれる
血を分けた
双子の片割れを
探し出したかのように
炎を
喜びで揺らしながら
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この夕べ
私の胸に届いた風は
何人の胸の思いを
吹き抜けてきたのだろう
安らぎ 慰め
悲しみ 憂鬱
あらゆる人間の
心模様に染められて
透明ながら
すべての色彩を持って
この夕べ
宇宙の中の一点の
私の心の中
小さな無限の原野を
吹き抜けていく
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音楽の向こうに
浮かぶ景色は
いつかの時代に
私の知らない私が
風に吹かれて
見た景色
男だったか 女だったか
どこの国に生まれ
何をしていたか
どんな名前だったのか
何も知らない私が
遠い昔に
風に吹かれて
見た景色
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上には空 下には大地
そして私は 風の中にいる
いつでも どこでも
私であって 私でない
私でなくて 私である
自分を応援する一番の声は
独り静かに耳をすますと
心の中から聞こえてくる
時を超えて 場所を超えて
遥か昔
私であった魂からの
私でなかった魂からの