詩人:かすみ | [投票][編集] |
兄が弟の手をひいて
歩いていく
足に絡まる草をわけ
大きな夕日にむかってく
ちいさな兄は
ヨチヨチ歩きの弟の
手をしっかり握っていく
二つの長い影を見送くる母
願いは一つ
早く帰ろうよ
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冬の終わりに始まって
秋の始まりに終わった
もっと早く気付けば
もっと仲良くなれたかな
深く知り始めたころに
終わってしまったよ
もっと行きたかったよ
愛・地球博
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金曜日の午後8時30分
笛が聞こえたら
丼もって猛ダッシュ
お湯で器を暖めて
醤油ベースの鶏ガラスープは香ばしく艶やかに
細縮れ麺はサッと茹でられ湯気のなかで音をたてる
白葱と支那竹と海苔に
「いつもありがとう」ってチャーシュー5枚サービスそれはコチラのセリフです
ポケットの千円札とザルの百円玉3枚を交換してから三年経ったのに忘れられない
おじいちゃんの味
もう一回食べたかったな
詩人:かすみ | [投票][編集] |
服に着られていた息子は
服が着れるようになった
着ていた服が
着れなくなった母
息子は聞き取れる言葉を喋りだした
喋る言葉の聞き取りが難しくなった母
赤と青の文字で記す日々が永遠に続くことを願う