詩人:健吾 | [投票][編集] |
黒い黒い感情
憎しみ、怒り、不安
全てが渦巻いて
一つの混沌になる
俺の中で渦を巻きながら
濃く、深く、重くなる
時が経つほどに
それは強くなる
人に与えられたそれを
自分の中で育てて
一人苦しむ
それに押しつぶされて俺は消える
あたらしい自分を形成する
そしてまた俺は一枚壁を増やしたんだ
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今あなたの目には
何かが映ってる
俺じゃあない
自嘲する
俺は自分を外から見て
あざ笑う
滑稽なやつだな
そう思う
なんで?
なんでそんなにこだわる?
わからない
自分の矛盾に気づいて
また自嘲する
きみの目は俺を見ていないのに
道化は滑稽なダンスを踊る
観客のいないステージで
汗をかきながら踊る
観客は夜空に輝く星たちだけ
それもすぐに雲に覆われる
そして雨をふらす
孤独な空間を冷たさがつつむ
それでもその道化は踊り続ける
俺は踊り続ける
客席に君が座って目をこっちに向けてくれるまで
いつまでもずっと…
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真っ暗な闇にいる
遠くに見えた
まばゆい光すら無い
今俺は手探りで道を探して歩いている
本当に前に進んでいるのか
進んでいるなら
多分ここまできた道の中で
多くのパラレルを知らず知らず通過した
そのたびに
最初にたぐり寄せた道を歩いている
それが良いか悪いかわからない
でもいっそすがすがしい
それはそれは不器用な生き方だよ
でもそれはいけないか?
開き直ってしまえば
この闇の空間すら
俺をやさしく抱いてくれる静寂の夜となる…
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1+1は1と1になるだけ
2になるとは限らない
この世はウラギリばかり
だから俺は[絶対]と友達なんだ
生と死、これだけは
信じられる友達
決してウラギラナイ
生まれたものは必ず死ぬ
例外無く
成立する唯一の原因と結果
人々は[絶対]をよく使いたがる
けれどそれはね
自らの生と死をかけたことばでなければいけないんだ
それを覚えていてほしい
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君の中には何人の自分がいる?
そして今の君は本当の君?
それが本当の自分?
わかるわけないよね
本当の自分なんてわかるわけない
だって
100人の他人から見れば
100人の自分が存在するから
そして
その100人の中の1人が
2人の君を見ているとしたら
ソノヒトはどうなる?
きっと混乱する
きっと壊れる
だってそうだろ?
あと何人の君がいるか疑ってしまうから
そしたら?
100人の中の1人は
自分のなかにいる
もう1人の自分に気付いてしまう
あとは永遠に繰り返し…
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なぜオレはここにいる?
部屋に一人で
ひたすら何を考える?
気付けば街は眠りにつき
時々車の走る音を聞くたび
オレは孤独になる
その車に乗る人々は
向かう場所がある
意味がある
だからオレは
自分に自分の意味を問う
ひたすら繰り返す
気付けば街は目覚め
雀が鳴き声をあげる
だから俺も目を覚ますことにする
答えが出ることは無いけれど
生きているから進まなければならない
時の流れと共に
ここに消えない足跡を
残したままに
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空を見上げる
空を舞う翼たち
片翼の天使は飛べない
折れた翼では飛べない
空を見上げる
そこは自分の居た場所
そこには自由な場所がひろがっていた
翼は両が揃って初めて役目を果たす
だから翼の折れた天使は飛べない
今、天使は地に立つ
果てなく広がる地平線
そこには新たな自由があった
天使は翼をすて地を駆けた
翼ではなく今は地に着く二本の足で
新たな自由を求め進んでゆく
そう
自由をなくした天使が新たな自由を手に入れた…
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冬の花火が二人を照らす
月の光が雪に跳ねて仄かに明るいこの丘で
二人を照らす
この約束の場所で二人を照らす
それはまるで
儚い夢のように
それはまるで
夢の終わりを告げるように
二人の花火は散っていく
それでも二人は微笑んで
「綺麗だね」
と言った
そう、人も花もそしてその花火も
“終わりあるもの”
だから一番輝く時を持っている
儚いモノこそ、
輝けるトキは美しい
「またここで逢おう」
二人は約束をして、それぞれの道を歩んでいく。
手には一本の線香花火をもって…