詩人:ケンケン | [投票][編集] |
化粧してアクセサリーをぶらさげて自分を繕って楽しいかい?
君は君のままが美しい
他人からは少しでもよく思われたい
それはよく分かっている
愛想笑いをしていい人を演じて楽しいかい?
君は君のままが美しい
生まれたての赤ん坊は何も着てないけれど、輝いて見えるだろう?
野に咲く花はただ咲いているだけなのに美しく見えるだろう?
君に醜さというコンプレックスがとれない指輪のように付きまとうのなら
その醜ささえも美しい
君は君のままが美しい
素直な君が美しい
ありのままの君が美しい
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
梅雨入りの今頃の一年前君は傘も持たずに出て行った
僕はといえばやめられないタバコを今日も吸っている
窓越しに聞こえてくる雨の音で外出する気も失せてまたタバコが減っていく
君は僕のタバコの煙を煙たがっていつも香水を付けていた
あの匂いをもう一度嗅ぎたいよ
哀愁感に浸っては君が出て行った方向を見てまたタバコが減っていく
ねぇ 僕が言った愛の言葉も煙のように消えてしまったの?
それとも忘れられない君の匂いのように心にしみついてるの?
君は多分どこかで僕の知らない男性と上手くやっているんだろう
僕はやめられないタバコのように君を想うことをやめられない
タバコと一緒にされたらまた君は怒るかな
『私は嗜好品じゃない』なんて言うのかな
タバコの煙の匂いも雨の雫で濡れたシミもいつかは無くなってしまうもの
でももう一度君にどこかで逢えたら
もし、もう一度君の匂いを嗅げるなら
何度でも愛の言葉を囁くよ
もうタバコの煙のように消えてしまわないように愛と深く君の心に固体として残すよ
『もし』なんて考えるだけで切ないよ
君は帰ってこない
分かっているはずなのに
君が煙を煙たがって香水を付ける姿を妄想して
またタバコが減っていく
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
降り続いた雨があがったというのにあなたはすっきりと晴れない顔
『もう僕じゃあなたを喜ばせないのかな』
『もう僕じゃ役不足なのかな』
なんて嫌な考えが脳裏を巡るじゃないか
どうしてそんなさえない顔して黙っているんだい?
こんなに近くにいるのに僕の言葉はあなたに届いてないのかい?
もしそうなら詩を書こう
あなたと僕を結ぶ赤い糸となる詩を書こう
甘ったるいラブソングなんかじゃなくて僕らを繋ぐラブソング
それはあなたの胸に届くかな
あなたはその詩を抱きしめてくれるかな
あなたへと綴るこの詩は僕らを繋ぐもの
あなたは共鳴してくれるかな
その詩は僕が役不足じゃないってことを証明してくれるはず
共鳴したなら今すぐ僕を抱きしめてよ
その詩は赤い糸
僕らは二度と離れない
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
『雨があがってもすっきりと晴れません』
つけっぱなしのテレビから聞こえてくる天気予報
部屋には脱ぎ捨てた衣服と食べ散らかしたジャンクフード
この空模様は僕の心象風景だ
この部屋の光景は僕の心象風景だ
久しぶりに電話のベルが鳴る
しばらく会ってない母親の声
温かみがありどこか懐かしさの感じられる声
『体調は大丈夫?風邪ひかないようにね』
優しく語りかけてくれる電話の声に思わず涙腺がゆるんだ
そうだ 僕が幼かった頃
夕焼けの二人の影 僕の方が小さかった
今は追い抜いているのかな
いいかげん大人にならなくちゃ
母親の声をきくたびにそう思う
つけっぱなしのテレビを消して外にでた
夕焼けがうつしだす影はひとつだけ
あの頃より大きくなった影
あの頃と同じ夕日
変わってないのは僕のハート
いいかげん大人にならなくちゃ
もう大人にならなくちゃ
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
僕は茶髪に長髪
行きつけの美容院は今日は臨時休暇で
僕は訳の分からない床屋に入った
床屋のオヤジはやけに気さくに話しかけてきた
僕は愛想笑いをしながら僕の髪を切られるのを鏡で眺めてた
いつから僕はこんなに愛想笑いがうまくなったんだろう
いつから僕はこんなに嫌な人間の対応がうまくなったのだろう
茶色だった色が黒く染まっていく
少年だった僕が徐々に大人になっていくように
長髪だった髪が切り落とされていく
少年の頃の思い出がはがれ落ちていくかのように
シャンプーしてもらっている間にふと脳裏をよぎった僕の詩
『大人になることは怖いことじゃない 辛くて苦しくて涙がこぼれ落ちたならそれは一歩大人への道を歩んだっていうこと』
オヤジは何か言いながらドライヤーで乾かしてる
僕は相槌をうつのが上手
鏡に映った新しい自分を見て
『あの時よりは詩を書くのがうまくなったかな』
心の中でつぶやいた
鏡に映った新しい自分を見て
『こうやって大人になっていくんだな』
心の中でつぶやいた
少しだけ大人になった自分
鏡に映る新しい自分
『これからよろしくな』心の中でつぶやいた
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
ほんの些細な口げんかで僕らのハートは割れてしまいそうで
今さっきまでキッチンで料理を作っていた君はもういない
僕ら何度となく口喧嘩もして
その度に君は出ていって
僕が起きると君はすやすやとかわいい寝息をたてて寝ている
僕らのハートはそんなやわなもんじゃない
口げんかごときで割れてしまうだけの代物じゃない
僕はいつでも待っているから君は僕の胸でやすらかにお眠り
口げんかをするたび頑丈になっていくから愛しあう度に頑丈になっていくから
これからもたくさんけんかしよう
これからもたくさん愛しあおう
やっぱり君が隣で寝てくれないと寂しいよ
ねぇ 君だってそうだろ?
僕たち、もっと日々を重ねて頑丈なハートにしよう
ヒビも入らないほど頑丈なハートにしよう
僕は君を愛してる
君は僕を愛してる
何も問題ないじゃないか
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
今にも雪が降りそうな天候
凍えて吐息で手をあたためる毎日
せわしく過ぎる日常の中で
慌ただしい人ごみの中で
冷たい風に負けないように誰にも気づかれずそっと咲く花を見つけた
風は冷たいけどそれだけでただそれだけで心は暖まったんだ
なんて美しい花なんだろう
名前もしらないその花の頑張っている姿を見て
僕は心がほっと暖かくなったんだ
せわしく過ぎる日常の中で
慌ただしい人ごみの中で
『美しい』という気持ちに久しぶりに出逢った気がした
ただ冷たい風に負けないように咲いているだけなのにその姿が美しすぎた
僕の中に残った『美しい』という素直な気持ち
大切にしていこう
せわしく過ぎる日常の中で見失わないように
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
詩人の端くれである僕は詩集をたまに読む
読めない漢字や難しい言葉の羅列でその詩に隠された裏の意味を読みとれない
未熟な僕はそんなわけで劣等感を覚え、同時に敗北感や悔しさも覚える
僕の詩はストレートだ
変化球は使わない
いつも真っ正面から言葉と向き合ってるから
だから劣等感や敗北感を覚えてもいい
悔しさを糧にして僕はまっすぐな詩を書くよ
誰にも真似できない詩を書くよ
それを軽蔑の目で見る人もいるだろう
でも何人かの中で一人でも胸に突き刺さるものがあるなら
その人の胸に何かしら残るものがあるのなら
それは僕の宝物
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
心地いい雨が音をたてて降り続く
恵みの雨よ 僕の思い出も洗い流しておくれ
君の匂い 君の仕草 君の笑顔
鮮明に思い出せる自分が憎いよ
君のいない朝を迎えて一人だとわかっていても手を振らずに去っていく君を今でも思い出してしまう
最後のキスの味さえも思い出せる自分が憎いよ
どしゃぶりの雨よ こんな惨めな僕を慰めてくれないか
どれだけ手を伸ばしても君には届かない
ならいっそのことこの思い出よ色褪せて消えてなくなれ
どれだけ願っても僕の思い出の塊はヒビさえ入ってくれない
音をたてて流れていってはくれない
君の匂い 君の仕草 君の笑顔
君のすべてを思い出せる君といた僕が心の中に潜んでいるから
僕が変わらないことには思い出の塊は消えない
君といた僕が消えない限り思い出の塊は消えない
詩人:ケンケン | [投票][編集] |
私は夢の中 いつも殻に閉じこもるの
私は夢の中 卵の中に閉じこもるの
涙でぐしょぐしょになっても
枠の外に飛び出したいの
そこで私は夢から覚めるの
きっとリアルには本当の私が立っているから
一歩ずつ枠の外に飛びだそう
一歩ずつ殻の外に飛び出そう
たとえばこの詩がその一歩なら
私はどこに行ったって本当の自分でいられる
素の自分でいられる