詩人:ケンケン | [投票][編集] |
梅雨入りの今頃の一年前君は傘も持たずに出て行った
僕はといえばやめられないタバコを今日も吸っている
窓越しに聞こえてくる雨の音で外出する気も失せてまたタバコが減っていく
君は僕のタバコの煙を煙たがっていつも香水を付けていた
あの匂いをもう一度嗅ぎたいよ
哀愁感に浸っては君が出て行った方向を見てまたタバコが減っていく
ねぇ 僕が言った愛の言葉も煙のように消えてしまったの?
それとも忘れられない君の匂いのように心にしみついてるの?
君は多分どこかで僕の知らない男性と上手くやっているんだろう
僕はやめられないタバコのように君を想うことをやめられない
タバコと一緒にされたらまた君は怒るかな
『私は嗜好品じゃない』なんて言うのかな
タバコの煙の匂いも雨の雫で濡れたシミもいつかは無くなってしまうもの
でももう一度君にどこかで逢えたら
もし、もう一度君の匂いを嗅げるなら
何度でも愛の言葉を囁くよ
もうタバコの煙のように消えてしまわないように愛と深く君の心に固体として残すよ
『もし』なんて考えるだけで切ないよ
君は帰ってこない
分かっているはずなのに
君が煙を煙たがって香水を付ける姿を妄想して
またタバコが減っていく