時速五十キロ以下の標識道路の真ん中、黒猫後方から迫る車、一台十、五メートル、と縮まる距離に尻尾を立て 走り出した危なっかしいソイツは足元で一鳴き抱き上げてやるある晴れた昼下がり青い青い澄んだ空に対照的な黒い猫ボクはそいつに「ソラ」と名付けた
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