詩人:鴻 | [投票][編集] |
夕方が夜に変わる
薄紅の太陽から
黒の月に飲まれていく
一番星が見えたら
あんたが何時
現れてもおかしくない
あんたが夢を叶えるなんて
全く信じちゃいない
だけど あんたに
夢を抱く位は
勝手な事だろう
傍若無人な言い振る舞い
野生動物間違いなし
威嚇喧嘩は日常茶飯事
お気に入りの屋根の上
お気に入りのお月さま
あんたを待つには
絶好の場所で
毎日 毎日
あんたを待ってた
ハチ公じゃないよ
だってオレは猫だから
忠犬なんてお断わり
名もない野良猫上等さ
だけど あんたを待った
だって
あんた何人居るのさ
毎回同じじゃないだろ…
そんなに早く通ったら
誰にも見てもらえず
誰にも気付いてもらえない
だから…―
《…一生 見テヤル…》
そう 勝手に決めた
ああ 勝手に願ってる
オレが死んでも…―
《…誰カ 見テヤッテ…》
呆気なく
誰にだって最後はくる…
例え
それが自由気儘で
傍若無人な野生動物でも…
《…》
あんたを見て
瞳から零れた水滴
ああ 似てるだろ…
黒い身体に透明な涙
これ…―“『アゲル』”