詩人:KiraAya | [投票][編集] |
知ってんだ
自分嫌い 価値がない そう喚いてみるだけで
そんなことないよ 好きだよ 素敵だよって
優しく優しく慰めてくれる人
知ってんだ
それが死ぬほど欲しくなる時だってあるよ
愛みたいなものよく似たものを
ああ嫌な堕落 堕落 堕落
詩人:KiraAya | [投票][編集] |
私の中には愛がない
ぜんぶ自分の為に使ってしまった
自分を愛する為に使ってしまった
愛されないのは構わない
価値がないことを 知っていたから
そんなことでは 嘆きはしなかった
愛を求めれば 人を傷つける
知っていたから 喚きはしなかった
だから自分を愛した
それは誰も傷つかないから
買えない愛を自分で作った
自分が食べる分だけ作った
そうしてここまで生き延びた
人にも少しは無償で分けてきた
僅かな愛をちぎって分けてきた
返ってくることもあれば
返ってこないこともある
少しならいい 戻らなくてもいい
また少しずつ育って増えるだろう
だけど全部はくれてやれない
すべて奪われたら死んでしまう
そうでなくとも少しずつ
愛は足りなくなっていく
嵐や日照りに見舞われて
土が死んで種が死んで減っていく
分け与えることもできないね
そうして空っぽになって
餓えて死ぬまで生きていく
人を愛せたらよかった
自分の分を投げ出して
人を愛せたらよかった
そうすれば自分が空っぽでも
誰かが分けてくれたのかな
いいえ それは
綺麗な愛をあげれたらの話
汚い愛は 誰も触れもしない
醜い愛は 路上に棄てられて
私の中にも戻せない
嗚呼 ただのゴミ
だから自分で食べよう
汚くて醜い貧弱な愛を
美味しくなくても私は平気
それで誰も傷つかない
空っぽになったら餓えて死ぬだけ
それで誰も傷つかない
詩人:KiraAya | [投票][編集] |
あなたが好きです
あなたを見ていたいな
あなたの声を聞きたいな
あなたの目を見つめてみたい
でもね 私は汚いから
きっと あなたは迷惑でしょう
きっと あなたは不愉快でしょう
私の存在を知らされるなんて
だからね
あなたを傷つけたくないから
私は見えないところにいるから
あなたは笑っていてください
詩人:KiraAya | [投票][編集] |
わたし 気づいてる
知らないふりしてる
嫌われてるでしょ
バカにされてるの
だけどそれが何だと言うの
好かれることなんて
何の意味もないわ
わたしだって誰も
愛してない
信じてない
好かれようとは思わない
孤独なんて怖くはない
一人で生きて死ぬだけ
それが何だと言うの
そんなことたいしたことじゃない
そんなことたいせつなことじゃない
愛されないのは惨め
それが何だと言うの
幸せでなければ 何だと言うの
わたしはわたしであれば
それだけでいいの
詩人:KiraAya | [投票][編集] |
這い上がるより落ちる方が楽だから
着地点がどこかは知ってる
心が怯えている
けれど しがみつく力もない
誰からも救われないのは知ってる
幸せになれないのは知ってる
それが誰のせいなのかも
詩人:KiraAya | [投票][編集] |
人を愛さないひとは
人に愛されないんだって
自分を愛さないひとは
人を愛せないんだって
愛されたことがないひとは
自分を愛せないんだって
どこまで歩いても ひとり
それでも 生きていくの
泣いて笑って ひとり
それでも 生きていくの
死ぬまで ひとり
生きていくの
詩人:KiraAya | [投票][編集] |
傷は塞がらない
血は乾かない
眠れない夜がやってくる
何かが心にまとわりつく
まるで無数の蜘蛛の糸のよう
天井からまっすぐに
心臓を穿つ大きな杭
何度も 何度も 繰り返し
深く重く貫かれる
胸から喉から指先まで
鈍い痛みが拡がりゆく
これは 罰なのだ
横たわる体が血潮に沈む
声も出せずに 息もできずに
やがて闇に消えてゆくまで
目覚めればいつもの朝
鳥の歌と光の匂い
痛みを忘れて また笑う
それでも
傷は塞がらない
血は乾かない
眠れない夜がやってくる