詩人:KiraAya | [投票][得票][編集] |
母親はへヴィスモーカー 立派なジャンキー
俺を身篭るずっと前から 既に手遅れ
繋がった臍から栄養アンド毒素 送り込まれて過ごした胎内
きっとその時から俺の脳は 腐りきってイカれちまってた
糞と一緒にひり出され 産声をあげた俺を
パパ ママ シスター
少し他の赤ん坊と違うとは 思わなかったかい
煙に犯され目も鼻も喉も肺も焼け爛れてああ死んでいく
命が灰に変わる 毎日繰り返される小さな葬式
だから俺は黒を纏います 明日の死人の為に
ベタベタと黄色い檻の中
じわじわと灰色の毒ガスで
意識は零れ落ちていく
眩暈
今夜 眠る彼女の枕元
散乱する青 マイルドセブン
唯一潰れてないハコを拾いあげて
白を一本 叩き出した
使いもしないライターを鞄に潜ませてたのはヤツの為
便利だと思われたかった それだけの為
存在意義の消えた赤い火が 今 揺れる
ぼやけた視界
凍る指先
命が汚れていく
ああ 確かに
悪くない
でも満たされないよな たかが灰色の夢
愛の無いセックスと同じ 涙が出るぜ
燃え尽きた後は ただ苦い味
次にコイツを吸い込むのはいつなんだろう
数年前 俺の部屋に転がる吸い殻を見て
泣きそうな顔した女がいたっけ
今時タバコの一本で廃人扱い 心配性ハニー
それは憐れみの瞳だったの
惨めな
気の触れた
哀れな
糞ったれ
[前頁] [KiraAyaの部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -