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KiraAyaの部屋


[225] 愛を食べよう
詩人:KiraAya [投票][得票][編集]


私の中には愛がない
ぜんぶ自分の為に使ってしまった
自分を愛する為に使ってしまった

愛されないのは構わない
価値がないことを 知っていたから
そんなことでは 嘆きはしなかった
愛を求めれば 人を傷つける
知っていたから 喚きはしなかった

だから自分を愛した
それは誰も傷つかないから

買えない愛を自分で作った
自分が食べる分だけ作った
そうしてここまで生き延びた

人にも少しは無償で分けてきた
僅かな愛をちぎって分けてきた
返ってくることもあれば
返ってこないこともある
少しならいい 戻らなくてもいい
また少しずつ育って増えるだろう
だけど全部はくれてやれない
すべて奪われたら死んでしまう

そうでなくとも少しずつ
愛は足りなくなっていく
嵐や日照りに見舞われて
土が死んで種が死んで減っていく
分け与えることもできないね

そうして空っぽになって
餓えて死ぬまで生きていく

人を愛せたらよかった
自分の分を投げ出して
人を愛せたらよかった
そうすれば自分が空っぽでも
誰かが分けてくれたのかな

いいえ それは
綺麗な愛をあげれたらの話
汚い愛は 誰も触れもしない
醜い愛は 路上に棄てられて
私の中にも戻せない
嗚呼 ただのゴミ

だから自分で食べよう
汚くて醜い貧弱な愛を
美味しくなくても私は平気
それで誰も傷つかない

空っぽになったら餓えて死ぬだけ
それで誰も傷つかない

2017/07/28 (Fri)

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