夜に咲いた綺麗な花をただ眺めて居るだけで、待っていても、待っていなくても、やがて訪れ来る私達と私達の深層の実相の刻にやさしいねむりを感応じて、やさしいせかいを現出させて、たおやかにたゆたう自身に満ちて、いざなわれて吸い込まれて惹き寄せられてゆく彼方の宇宙にふれて、ようやく気づけた出世の理由に安堵する
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