詩人:きらり | [投票][得票][編集] |
頬をなでる
冷たい手
『ごめんな』
低い小さな声
この冷たい手で
俺を殴る
殴ったあとはいつも優しい
俺は大丈夫だよ
だから父ちゃんそばにいて
母ちゃんがいなくなって
父ちゃんは寂しくて苦しんでる
俺わかってるからね
殴られるのは痛いし嫌だけど
父ちゃんの事嫌いになれなかった
殴られるのは痛いし嫌だけど
優しい父ちゃん知ってるから逃げなかった
なのに父ちゃん
なんでだよ
俺を置いていくなんてさ
俺は学んだよ
独りは寂しいって
でもおかげで強くなれた
年の割りに老けてるって言われるようになっちまったよ
俺は父ちゃんとは違う道を行くよ
己に負けないで生き抜くよ