ホーム > 詩人の部屋 > さみだれの部屋 > 投稿順表示

さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[463] rock'n roll superstar
詩人:さみだれ [投票][編集]

日陰で歌うよスーパースター
前向きな気持ちに憧れて
みんな声を求めてる
あなたの風に吹かれたいんだ!
今すぐ飛び出しておいでよ
日焼けなんて気にしないでさ
もっと声を荒げてよ
あなたのそばに立ちたいんだ!

日陰で歌うよスーパースター
青空を遠目で見つめて
みんなその目になりたいと
だけどあなたの隣は冷たいんだ
高らかに歌えよスーパースター
光の境を飛び出しておいでよ
僕は夢を求めてる
あなたのライトで照らしてよ!


2012/04/23 (Mon)

[464] ライラ
詩人:さみだれ [投票][編集]

心は鉛色の谷を見下ろし
今に砂漠の風に背を押されんとしている
あなたはひたすらに無垢であり
私の手を取って心から支えてくれる
魂が黄金の海原に流され
二度と帰らないその時まで

清められた小川を傍に
遠くからはコムメルシの音楽が聞こえる
心は掬い上げた水を口にし
いよいよ銀色の渡し舟が目の前に現れる
あなたは谷を渡るため
最後の手助けを私に施してくれたのだ

あなたのみが持ちうる私への心が
脈をうち、さらに深く呼吸する
銀色の舟は心をあの時の街まで誘い
そしてあなたはそこにいて
しかも私を抱きしめ
小さく微笑みかけてくださる
待ち人は帰った!
あなたのいるそこへと帰ったのだ


2012/04/24 (Tue)

[465] 不明瞭かつ確かなものを
詩人:さみだれ [投票][編集]

愛しているからこそ
胸が裂けるほどの寂しさを覚えるのでしょう
大切だからこそ
なくなったときの悲しみは
悲しみと呼ぶには優しすぎるのでしょう
必要だからこそ
絶えずその目に映したいと思うのでしょう
恋というものは過程に過ぎないのです
完成しようと一人努力するものです
愛というものは霞んではならないものです
見失ってからではもう遅いものです

信じているからこそ
肌に感じるほどあなたが近いのでしょう


2012/04/24 (Tue)

[466] 夜の鳥
詩人:さみだれ [投票][編集]

三日月のように
ひっそりと
朝を待たずに暮らそう
お気に入りの星を
週に一回決めて
あとはあれこれ星座を作ろう
シリウスのように
互いの重力を
近づきすぎず
かつ離れすぎないように
衛星からは見えない
「町の明かりに埋もれた私たちを
見つけることができないんだね
ここだよーって手を振ったら
喜んでくれるかな?」

満月のように
明々と
朝を待ちわびて君は眠る
青い蠍の目は
暗がりに衛星を見つけ
衛星は軌道を逸れず
君を見ている

太陽に目を向けた
君を見ている

2012/04/25 (Wed)

[467] メメント・モリ
詩人:さみだれ [投票][編集]

少しずつ陽は落ちていき
あなたの表情も曖昧に
つられて笑ってみたけど
あなたは頬を膨らませていた

気持ちは前のめりに
襟を引っ張られて転ばずに
世界はこんなに広いのに
目の前の石ころを気にしなきゃならない

暗くならないうちに
晩御飯の買い物を
暗くならないうちに
あなたの好きなものを作ろう

私は未来を夢見
あなたはそれをやめた
今日感じることを
明日には感じられない

夜と呼ぶには明るすぎ
あなたは瞳から光を失う
目に見えて信じられる今を
私は大事にしなきゃならない

2012/04/29 (Sun)

[468] 無題
詩人:さみだれ [投票][編集]

死ぬことは怖い
じゃあ生きてることは?
何食わぬ顔でテレビを見ているあなた
あなたの瞳には死者のテロップが流れる
死ぬことは怖い
それをあなたは思い出してる?

あまりにも感覚がないものだから
死んでいるんじゃないだろうか、と
これっぽっちも疑わなかったから
生きているんじゃないだろうか、と
それでいいんだよ
ただたまに思い出してほしいだけだよ
生と死は仲良く
あなたの隣に寄り添っている
それの手を握ってあげてほしいんだよ

死ぬことは怖い
だからこそ生きようとする努力をやめてはいけないし
今を大切にしなきゃいけない



あなたが死ぬことを怖れているなら

2012/04/30 (Mon)

[469] ディスタンス
詩人:さみだれ [投票][編集]

例えば私がここにいないとして
あなたは声が出るのを堪えて泣くだろうか
私のことを何もかも忘れてしまっても
おぼろげな私を信じてくれるだろうか
あなたはそんな世界を生きてくれるだろうか
例えば私がここにいないとして
私はあなたに何ができるだろうか
声をかけることも触れることもできず
あなたの悲しみを感じていると信じ込むことしかできない
あなたは目に見えるものを愛しているだろうか

私は思うよ
いつかこの感情や視界
風のにおい
あなたの生きる世界
その境界
または向こう側
私は思うよ
あなたの尊さを
その素晴らしさを

2012/05/01 (Tue)

[470] 記憶とは
詩人:さみだれ [投票][編集]

夜には泣いていいと
誰かが言っていた
そして流れた涙が
チカチカ光だして
人ははじめて永遠なんてないんだと知る
あの星だって
そのうちなくなってしまう
でもただなくなるんじゃなくて
生まれ変わるんだろう
この涙も
明日の朝には渇いて
見えなくなってしまう

永遠なんてないはずなのに
永遠に続くようなこと
一瞬でしかないはずなのに
永遠に続くようなこと
変わらずにありたいと思うこと

2012/05/03 (Thu)

[471] 時の最果て
詩人:さみだれ [投票][編集]

煙草をくわえ
逆流する時間をぼんやり見ている
木々は枯れては葉をつけ
枝を落とし
やがて新芽になる
コーヒーの渦は分解され
それぞれがあるべき場所に還る
ただ煙草をくわえ
その異常さを疑いもせず
そう他人事のように
あるいは時空間の神のように
また始めればいいさ
気が遠くなる年月を
無限ほどにある一瞬を
また始めればいい

2012/05/05 (Sat)

[472] アダム
詩人:さみだれ [投票][編集]



海を渡るためには船が必要で

船を作るためには木が必要で

木を育てるためには雨が必要で

雨を降らすためには雲が必要で

雲を作るためには大気が必要で

大気を保つためにはたくさんのものが必要で

たくさんのものを作るためには神様が必要で

ならどうすれば神様は生まれるのだろう

海を渡るためには渡る人が必要で

渡る人を生むためには神様が必要で

海を渡るためには神様が必要で

神様を知るためにはどうすればいいのだろう

すべては繋がっているはずなのに

伝っても伝ってもわからない

人間は無意識に神様に近づこうとしている

そんな気がする

2012/05/06 (Sun)
941件中 (461-470) [ << 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 >> ... 95
- 詩人の部屋 -