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まず卵を割ります
片手で割るとよりいっそう美味しくいただけます
次に砂糖を大さじで適量加えます
甘ければ甘いほど美味しいので"糖尿病にしてやるぜ!"くらいがおすすめです
フライパンに油を
もちろんIHです
熱したら卵を投入します
その前によくかき混ぜておきましょう
何回かに分けて投入すると綺麗な層になります
厚くすればするほど喜ぶでしょう
最後に斜めに包丁を入れて切ります
より厚く見せる演出です
お好みでマヨネーズや醤油をかけてお召し上がりください
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君はたまご焼きを作る
それしかレシピを知らないから
買い物に行けば君は真っ先に卵の棚に向かう
スキップなんて恥ずかしいからやめてほしい
君と僕は週に一度ケンカする
マヨネーズか醤油か
その度君はふて腐れて
セックスもせずに寝てしまう
それでも次の日には何事もなかったようにたまご焼きを作り
夜には僕を求めた
君はおばさんになってもたまご焼きしか作らない
不思議なことに僕は飽きない
それどころか日に日に腕をあげる君のたまご焼きが楽しみでしょうがない
どうやら子供も同じようだ
ご飯の時にはちゃんと向かい合って同じ皿のたまご焼きをつつく
君はおばあちゃんになってもたまご焼きしか作らない
年金だけの生活で裕福とは言えない老後だけど
君は文句ひとつ言わずたまご焼きを作った
たまに遊びに来る孫たちにふるまっては
ニコニコと嬉しそうに笑う
僕は君の笑顔だけでお腹が一杯だ
君はいつまでもたまご焼きを作る
毎日同じように
いつもたまご焼きを作った
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君の細胞は真実を求める
数えきれない憂鬱の夜
君の手の細胞が僕の細胞に囁く
"愛してる?"なんて馬鹿げたこと!
昨日君の手の細胞のひとつが死んだんだぜ?
悲しむんだ もっともっと
君は僕のことなんか気にしちゃいけない
フラッシュバックしてよ
君の昨日
ああ、もう時間がないよ
僕は新しい細胞の誕生に立ち会わなきゃならない
君との愛の確認なんて二の次さ!
早くひとりにしてよ
この一瞬は誰にも邪魔されたくないんだ
君は早く家に帰って
君の手の細胞のひとつに線香をあげて
さぁ、早く!
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"きっと
幸せなんてものは
私たちが不意に心をからっぽにしたから
生まれた結晶にすぎないんだ"
美しいエメラルドグリーンの髪を指に巻きながら
彼はさみしそうに言った
違うわ
私はそう言いかけてやめた
かわりに彼の膝をさすった
ふと窓の外に目を向けると
遠くに控えめな月が見えた
それは彼によく似ていた
夜の闇にさえとけこめないひどく惨めなものだった
彼が喋らなくなったから私は窓から目を背けた
彼は眠っていた
首のすわっていない赤ん坊のように
私は彼の頭を肩においた
"きっと
幸せなんてものは
私たちが不意に心をからっぽにしたから
生まれた結晶にすぎないんだ"
私の心は幸せなのかしら
彼はもう答えなかった
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虹色に染めてよね
あのさかなも
あの鳥も
どこにいっても仲間はずれにならないように
呼んであげてね
あの犬も
あの虫たちも
いつでも振り向いてくれるように
だから言葉も同じにしてね
うんと勉強するから
私も虹色に染めてね
どこにいってもさみしくないように
みんなと仲良くなりますように
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子供心に思っていた
幸せなんてありゃしない
誰もいない家の中で
熱に苦しんで
このまま誰も帰ってこなくて
このまま死んじゃうんじゃないかって
私はいつもそう
死ぬ夢を見ている
そして朝になって
生き返る道を選ぶ
そして夜になって
もう一度死ぬ
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詩的表現を捨てましょう
あなたが好きです
ただそれだけ
比喩を捨てましょう
海がきれい
ただそれだけ
詩的表現を捨てましょう
自殺はやめよう
ただそれだけ
脚韻を捨てましょう
死にそうだ
ただそれだけ
誰が詩と読んだの
ただの告白が
どうして詩になれるの
教えて!
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その南京錠はとても大切なもので
あなたは肌身離さず持ち歩いている
誰かの肩に乗っかった
鍵を取ろうと躍起になってる
楽しそうなふりしてさ
悪魔みたいな計算と
神のみぞ知る確率で
毎日大忙し
疲れを知らない
若い人だもの
これからも続けてほしいな
頑張ってね
さて
頭の中の恋人が
電気を消してと訴えている
そうだね
もう月が昇ってるんだ
南京錠を枕の下に
もう寝ようか
明日は鍵がとれるかな
おやすみ
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大丈夫君は笑われてるよ
その醜悪な面も
薄汚い好意も
バイ菌野郎なのさ
君ってやつは悪臭の塊
みんな鼻をつまんでるぜ
こっちくんなよ
ツレだと思われたくないから
ああ気持ち悪
気付いてみなよ
バカじゃないならさ
向き合ってみなよ
気持ち悪い君自身
きっと吐いちまうぜ
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どんなに透き通った川でも
君という人は見えない
どんなに澄んだ青空でも
君という人は浮かばない
どんなに広い道でも
君という人は歩かない
どんなに静かな町でも
君という人は聞こえない
どんなに心豊かなときでも
君という人は忘れない