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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[653] カノン
詩人:さみだれ [投票][編集]

あなたが風邪を引かないように
わたしは雲になって
あなたのいない
どこか海の上にでも行きます

あなたが転ばないように
わたしは石になって
あなたのいない
どこか山の奥にでも行きます

あなたが元気なときには
わたしは夜になって
あなたのいない
地球の裏側に隠れます

あなたが不安定なときには
わたしは涙となって
あなたのいない
どこか道の上に染みます

あなたが愛する人を愛するように
わたしはバラの刺となって
あなたのいない
どこか知らない片隅に身を置きます

あなたがわたしを思うとき
わたしは何となって
あなたのいる
あたたかい日だまりに入るのでしょうか

あなたに良いものでありますように
わたしは願いとなって
あなたのいない
神様のお膝元へ行きました

2013/02/06 (Wed)

[654] ライフ
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生きるって何?

みんな勝手なことばかり言うけれど

生きるって何?

死ぬことと同じくらい怖いのに

それでも生きろと言うなら

生きるって何?

幸せの位置に行けばわかるの?

日々の何でもないことに感動すればいいの?

人の優しさ?

いいことをする?

みんな勝手なことばかり言うけれど

生きるって何?

なぜ"生きてるの"?

2013/02/11 (Mon)

[655] シンパシー
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怖いだけでしょ
世の流れ
人々の心
文化
見た目
そんなものしか見ていないの
あなたは
そんなあなたを素晴らしい
とは思わない
とても滑稽で哀れで情けないもの
あなたは何も感じてはいない
卑しい人の優しさ
暴力的な正義
透過した思考の壁を
あなたは感じてはいない
濁流の感情の飛沫に
あなたは目を奪われてる
理想郷などありはしない
あったとしても私たちには難しいでしょうね
あなたと私では
優しさが違うから
また違う人とも
その隣の人とも

2013/02/12 (Tue)

[656] スプリング
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君の眠り

かそけき寝息

寒空の毛布

幻の星

夕べたゆたうは

白昼の残照

夢に見るは

豊かな心

君の眠り

かそけき鼓動

手に伝う

希望の滴

春の日に似て

2013/02/13 (Wed)

[657] エクリプス
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鏡に色はない
ただ景色を真似るだけである
そんなものを彼女は毎晩磨いた
自分の顔を嫌いもしない
私は彼女をもっと知りたくなった

雲には触れない
ぽつりと、時に覆うように空にあるだけである
彼女はそれを天使だと言った
雨に大地は雪に子供は喜び
それらは必ず誰かのためになると言った

心を私は信じない
いつも疑心や裏切りが付き纏うのである
それすら彼女は包むように抱いた
もっと大切にしたい
私は彼女を何よりも愛するようになった

やがて幾年か過ぎ
私は当たり前に歳をとる
皺はあちらこちらに刻まれた
だが私は死ぬことに恐怖は感じない
彼女は生きることを素晴らしいと感じるために死んだのだから





”心に残ったものが一番大切な記録だから
覚えていてほしいの 今日の私を
あなたの心に残ったならそれだけでいいの
私はちゃんと生きていたって
そう思えるから”

2013/02/16 (Sat)

[658] ビーム
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揺れる

銀星のビーム

波も届かず

神木も触れられず

誰にも注がれず

細くなり

消える

人々の境界

慎ましく

心静かに

夜の間

揺れる



2013/02/19 (Tue)

[659] 幸福論
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奇跡が
私たちのそばにいつでもあったなら
とても退屈で
つまらない錯覚を起こすかもしれないね
私たちは
絶望と背中合わせに座っているけれど
それは奇跡の代役で
本当は幸せと手を取り合っているのかもしれないね
私たちは
ときにそれを忘れてしまい
幻惑された人は
夢を見なくなり
漂流した人は
いよいよ死んでしまう
だから
あなたたちが言わなきゃね
奇跡を指差して
背中を押してあげなきゃね
絶望は
私たちのそばにいつでもあったから
とても唐突に
しかし確実に奇跡はあるんだよ
どんな形であれ、さ

2013/02/23 (Sat)

[660] ブルーアワー
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窓辺にすがりついて
遠い星の安息を願う
あなたの背には羽があって
あなたはいつでも飛び立てるのに
黄金色の光の影で
弱気な心ばかり見ないで

あなたの身の周りの人は
太陽が隠れるように
眩しく輝いたかと思うと
いつの間にか消えてしまった
あなたはそれを悲しい
さみしいと思うだろうね
でも違うんだよ
あなたの背中にある羽を
どうか思い出して!

いつまでも塞ぎこんでいるから
あなたの世界は重力に捕まっている
すがりつく時間はもう終わりだ
あなたは弱気な心を引っ張って
理想の羽を広げ
行かなくてはならない
外宇宙を目指すつもりで
いってらっしゃい

2013/02/25 (Mon)

[661] I want you to walk
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僕の心はどこだろう

君の心は海に帰るけれど

僕の心はどうだろう

君を妬んだり

憎んだり

蔑んだり

僕の心はどうしてだろう

見えないところで意地悪してる

君の心は安心するけれど

僕の心はなんだろう

ちくちく痛むんだ

君が笑ったり

ふざけたり

うっとりしている

僕の心はどうしてだろう

君の心と寄り添いたい

そう言って聞かないんだ


2013/02/28 (Thu)

[662] わくらば
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君たちを不愉快にさせる詩はいくらでも書けるよ
君たちを楽しませる詩はちっとも書けないよ
君たちの望む言葉の美しい並びを知らないし
君たちの選った好感の持てる詩を知らないし
だから
君たちには永遠に普遍的な詩なんだ
君たちには届かない思いなんだ


しかし
君たちにも同じことが言える
君たちも例外ではない
君たちの穏やかな詩が
君たち以外には穏やかではない

しかし
君たちにはその存在を認知することはできない
君たちにはその存在の心をうかがい知ることはできない
君たちの素晴らしい詩が
君たちにだけ素晴らしいのだとしたら?

君たちは天国に馴染んでいる
君たちは過去に見た地獄を忘れようとする
君たちの神様は都合よく詩を書いてはくれない
君たちの羽は見た目より機能性がよくない
だけど
君たちは気取って何でもない風を装う
君たちはなおも素晴らしいと賛する
そんな
君たちを楽しませる詩はちっとも書けないよ

2013/03/01 (Fri)
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