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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[943] 落陽
詩人:さみだれ [投票][編集]

落陽をよく見た
橋の手すりが溶けるのがわかる
君といえばそんなもの
視界が回り
いなくのはいつもいつも
跳ねる音ばっかりで

落日は微睡み
好いた夢をも揺れて
私とはそんなもの
そんなものが跳ねて
跳ねて

見えるものに青さを求め
眼球は旅をする
なぜ?
冷たそうだから?

落葉に燃え
君は手すりを変えた
変わり果てた形など
どうでもいいように笑う
その向こうに見えるんだ
赤く腫れる落陽が

2024/06/04 (Tue)

[944] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

幻はよく吠える犬に咥えられ
巣穴に戻る頃にはもう手足すら忘れ
空を切るそれは世界の見世物となり
首輪には唯一残された自我があり
主観によれば悲劇だった
客観には喜劇だろうが
俯瞰で見ればなんてことない
総意による言葉により

魂はよく吠える
人のそれはよく吠える
何を吠えているのだろう
意味などないと俯瞰は言う
主観は体を気にして黙り
客観には漫談だった
憂鬱には水を与え
貴方は行儀よく座って

ありきたりな午後を過ごす
私にはわだかまりがない
あなたは欲しているばかり
私にないとわかっていながら
幻はそんなものだと
巣穴に戻る頃にはもう
主観が大袈裟にすれば
あなたが静かに
無かった事実に
気にすれば死ぬと
囁かれてる
そんな風に
見世られている

2025/03/30 (Sun)

[945] ひとつめ
詩人:さみだれ [投票][編集]

広いといえば
海を思い出す
貧しいといえば
どこかの国のスラムに
良いことは忘れがたく
豊かになれば
忘れやすく居心地よい
貧困になりさえすれば
大事に思えるものが増える?
減らないことが
忘れがたく居心地よい?
居心地のよさは
私の太古の記憶から
指を吸うことが
居心地のよさと言った

狭さを呪う
そんな胎児の胸に
管は繋がれ
呼吸は地球に波を立て

手がある理由を知り
広さを確かめた
手に取るものがないと
諦めてしまった
広くなくていいから
海を見たいと
望む君こそ
居心地よいのだと
そこに理由を持たないように
君は軽やかに指を鳴らした

楽しくなって私も鳴らした

2025/07/01 (Tue)
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