| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
ピストルがあってね
殺したいやつがいるんだ
腹のそこが煮えくり返り
いよいよ激情に乗っ取られる
通りすぎるついで
こめかみを
パンッ
電池を抜かれた時計さながら
死んでいくこと
きっと楽なもんさ
肌白く顔立ちの整った少女
物言うついでに捕まえては
優しくしている
密閉された瓶の中
飯ならたんまりあるさ
そのうちに慣れて
どんなものでも良く思える
俺のことも想うんだ
腹の足しになればと
捨て猫を見つけては
その首を絞めて埋めている
幸せをランダムで決められるくらいなら
いっそ死んでいた方がいい
感性とは良くいったもので
それは秤の重りのようなもの
量られているのは生き様で
主を知るものはいない
よくできたバランス
上手につれたはずでも
一方は徐々に沈みつつある
完璧な死に様を選びとうございます
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
私は変わってしまった
今の自分なんて嫌いだよ
こんな詩しか書けなくなった
今の自分なんて嫌いだよ
僕はね、さみだれだったんだよ
雨なんて大嫌いなんだよ
俺はね、変わったんだよ
もっともなりたくなかった方に
変わってしまったんだよ
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
夕日が燃え尽きる
橋から落ちる涙
夕日に映えたのも
一緒に沈んだのも
全部
僕が見た幻想で
まだまだそこにいるのに
全部
光に溶けて
触れられなくなる
"さようなら"
君が言う
"また明日"
飲み込んで
その背を追うには
僕の目は不自由すぎた
夕日がわざとらしく
橋から投げ込む希望
夕日に会おうにも
眩しくて触れられない
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あなたが悲しいと
私は二度と涙を流さないと心に決める
あなたが寂しいと
私はこんな寂しい思いはしたくないと
あなたを抱きしめる
あなたが死ぬと
私はもう二度と死にたいと言えなくなる
あなたがいないと
息ができないくらいの孤独に苛まれる
あなたが生きてると
私は生きててよかったと心から言える
あなたが星だと
私は昼間を知らずに過ごすことになる
あなたが笑うと
私は二度と涙を流すことはないと
そう思う
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どんなに透き通った川でも
君という人は見えない
どんなに澄んだ青空でも
君という人は浮かばない
どんなに広い道でも
君という人は歩かない
どんなに静かな町でも
君という人は聞こえない
どんなに心豊かなときでも
君という人は忘れない
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
大丈夫君は笑われてるよ
その醜悪な面も
薄汚い好意も
バイ菌野郎なのさ
君ってやつは悪臭の塊
みんな鼻をつまんでるぜ
こっちくんなよ
ツレだと思われたくないから
ああ気持ち悪
気付いてみなよ
バカじゃないならさ
向き合ってみなよ
気持ち悪い君自身
きっと吐いちまうぜ
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その南京錠はとても大切なもので
あなたは肌身離さず持ち歩いている
誰かの肩に乗っかった
鍵を取ろうと躍起になってる
楽しそうなふりしてさ
悪魔みたいな計算と
神のみぞ知る確率で
毎日大忙し
疲れを知らない
若い人だもの
これからも続けてほしいな
頑張ってね
さて
頭の中の恋人が
電気を消してと訴えている
そうだね
もう月が昇ってるんだ
南京錠を枕の下に
もう寝ようか
明日は鍵がとれるかな
おやすみ
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詩的表現を捨てましょう
あなたが好きです
ただそれだけ
比喩を捨てましょう
海がきれい
ただそれだけ
詩的表現を捨てましょう
自殺はやめよう
ただそれだけ
脚韻を捨てましょう
死にそうだ
ただそれだけ
誰が詩と読んだの
ただの告白が
どうして詩になれるの
教えて!
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子供心に思っていた
幸せなんてありゃしない
誰もいない家の中で
熱に苦しんで
このまま誰も帰ってこなくて
このまま死んじゃうんじゃないかって
私はいつもそう
死ぬ夢を見ている
そして朝になって
生き返る道を選ぶ
そして夜になって
もう一度死ぬ
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虹色に染めてよね
あのさかなも
あの鳥も
どこにいっても仲間はずれにならないように
呼んであげてね
あの犬も
あの虫たちも
いつでも振り向いてくれるように
だから言葉も同じにしてね
うんと勉強するから
私も虹色に染めてね
どこにいってもさみしくないように
みんなと仲良くなりますように