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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[456] ノスタルジア
詩人:さみだれ [投票][編集]

商店街に住んでいた友達は
小学生の頃
隣町へ引っ越した
四人で遊んだ児童館は
今も相変わらずだっていうのに

学校へ向かう途中にある橋
そこから見える何でもない景色が好きだった
水面を並んで泳ぐ鳥や
遠くに見える山や
船がぷかぷか浮いている岸
何もかもが当たり前で
手に届くようで届かなかった

世界はあまりにも不鮮明で
アナログな上に歩けば足が痛くて
そう
毎日帰るのが嫌だった
いつまでだって遊んでいたかった

世界はあまりにも刺々しくて
無機質な上にほんのり温かくて
そう
毎日帰るんだ
いつまでも忘れないと心に決めて
ずっと帰るんだ

2012/04/15 (Sun)

[455] 無題
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ずっと会えない
わかっていたなら
もっと愛せていたし
話もしたし
これでいいのだとしたら
あなたはたぶん
十分幸せだったと言うのだろう

続きのない幸せなんて
さみしいのに
あなたはたぶん
一瞬だから大事にできると言うのだろう

2012/04/14 (Sat)

[454] 無題
詩人:さみだれ [投票][編集]

彼の心に
隠れた魔物が
爪をたてて
何か食べている
甘いのかもしれない
苦いのかもしれない
口をすぼめて
舌を冷やして
彼の心の
廃墟の街に
魔物が一匹
孤独に苛まれ

彼の心に
戸惑うあなた
爪を噛んで
精一杯の思考
"つらいのかもしれない
悔やんでいるのかもしれない
唇を噛んで
手を震わせて"
彼の心の
真っ白なところに
指先が触れそうな
触れられないような



2012/04/14 (Sat)

[453] 青の境界
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思うことはたくさんある

夢はどこに行き着くのか

現実に追いつけはするのだろうか

沈むブルー

いつも境界はない

混ざり合っていくのだ

あなたの目には惑いなく

しかも真摯な心を胸に閉まってある

落ち着きのあるその心を

それはブルー

自分を追いまわし

逃げた道を染めていくのだ

虚ろなる夜はいつもある

いつも知らないふりをした

あなたの心に私はなれないのだから

歩くブルー

境界は無きに等しい

それを見ないうちはまだ



2012/04/13 (Fri)

[452] 弱虫
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いつまでも腐ってんなよ
世界なんてそう容易く変わりゃしないよ
お前みたいなのがごろごろいたってさ
ずーっとそこにいたんだろう
お前のいるとこだけ埃がないんだもん
大した掃除機じゃないと綺麗にならない?
んなわけない
周りが汚いことを周りのせいにしちゃいけない
お前はその小さな縄張りで
何ができた?
とっとと立てよ
泣いたって
ふて腐れたって
何にも変わりゃしないよ
いつまでも腐ってんなよ



2012/04/13 (Fri)

[451] 赤とんぼ
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赤くなるなよ

夜が来ちまうよ

飛行機雲が綺麗だと

まぬけなこと言ってんなよ

旅に出る

見つかんない財布や

恥知らずの煙草を持って

"もうなんだか嫌になっちゃうな"

なんてわざとらしくため息ついてさ

旅に出るんだよ

二人してあの船に乗って

色んなとこでうまいもん食うんだよ

季節に心も変わってしまって

それでも同じように

飛行機雲を見りゃ綺麗だと言い

からかうと赤くなる

旅に出よう

空が暗くならないうちに


2012/04/13 (Fri)

[450] 魔法
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魔法は解けた

甘いフルーツは

悲しみにも似た

酸味へと変わる

今までの記憶に

塵ひとつも映らない

賑やかな夜に

今一度戻れるなら

海のような心をひとつ

空のような感情をひとつ

地のような魂をひとつ

生まれたばかりの純粋もまた

私はこの身に宿したい

それは魔法のようなもの

永遠ではないこと

2012/04/12 (Thu)

[449] 風の詩
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悲しみに暮れる

通り過ぎる風や

追い掛ける太陽

捕まってしまう

坂を下れば君の町

それを知ってる二人

夢の中までは風は吹かない

ただ信じる

心がつかまってる

ほろ苦いコーヒーや

少し苦手なサイダー

雨の降らない町

心は夢に捕まる

2012/04/12 (Thu)

[448] 手紙
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君は眠る
幸せそうに
瞼の裏に今日のこと
明日のこと昔のこと
窓から射し込む
星々の光
途切れないように
輝かせてよ

手をとり微笑む
幸せそうに
瞳の奥に映る声が
言葉になって飛び出した
このままずっと
二人でいられたら
いつまでも
君が幸せでいられる

愛するということは
幸せであるということ
君があればこそ
得られるものなんだよ

君が眠る
そのそばで
手を握ることが
俺の幸せだ
あなたにもそうであってほしい

2012/04/09 (Mon)

[447] 積み木
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あの子は家で
積み木で家を
あの子はひとり
家でひとり
大好きな積み木を
赤い積み木を
屋根にするよ
壁にするよ
誰かが住む
ウサギが住む
壊さないように
出掛けたいのに


2012/04/09 (Mon)
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