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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[363] 夕暮れ、山あいの町にて
詩人:さみだれ [投票][編集]

普段見慣れたあの店も
イルミネーションで着太りしている
相変わらず風邪を引いたように
くたびれた僕がいる
詩の世界に迷い込んだのか
現実にいるのかわからない
遠くで消え入る落日を
美しいと思える心
手の冷たさ
行き交う車の音や人の声
確かなのは
今この時を信じられないでいること
それだけだ

2011/12/21 (Wed)

[362] 運命論
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ただこの瞬間に
涙が零れそうになるのは
あなたを思うあまり
希望が遠ざかり星となるのは
何も決まったことじゃない
夜の牢獄の中で
静かに訪れる別れも
生きているうちに
何と別れたんだかわからなくなる
だから何も決まってはいない

ならばあなたは何
なぜそこにいるのか
あの言葉が絶えず聞こえるのは
あの安息が終わらないのは
何かが決まっているからじゃないのか
不可思議な焦燥と倦怠が入り交じった今は
知らぬ間に開いたドアの向こうは
やりきれない夕暮れのあとは
何が私を決めているのか
私には何も決まってはいない
運命など言い訳に過ぎない

2011/12/18 (Sun)

[361] あなた、嫌い
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他人を嫌いな理由がわかりました
私は私の世界を守りたい
きれいに咲いた花畑を
踏みつけられるのは誰だって嫌でしょう
ときに殺意となって
ときに諦めとなって
私の世界は真っ赤な夕暮れを迎えるのです
何もかも残酷に生きている
虫けらのようなやつでさえ
その場しのぎの安らぎすら奪うのなら
私は傷つけるでしょう
あなた方の素晴らしい行い
まったくもって愚かな計画、意識、自信ですね

私は他人を嫌います

2011/12/14 (Wed)

[360] 希望的観測
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寒がりのその頬に
涙が流れないように
温めておいた手をあげるよ
このくらい明るい夜なら
笑顔も覗けるだろう

気が遠くなるほど
ゆっくりと時間は進んでる
それを幸せに思うなら
一瞬のきらめきすら
愛せるようになるのだろう

2011/12/13 (Tue)

[359] 望郷
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夕日に目を奪われ
月は背に隠した
山をすべるように燃える木々が
ひとつ、またひとつ
灰になっていく
人は黄昏の中
ゆらゆらと漂う
誰の手も握れず
散り散りに去っていく
世界の終わりにしては美しすぎるし
黎明にしては寂しすぎた

2011/12/12 (Mon)

[358] 彼にワルツを
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綺麗な世界に
悪魔がいるんだよ
何が正しいかわからない
悪魔がいるんだよ
人は理解することをやめて
お払い箱にしたよ
天使は理解することを知らず
矢を放ったよ
そうして暗いところに逃げ込んだ(追い込まれた)悪魔は
何が正しいのかわからずに
ひたすら泣いたよ
昼の明るいうちは
フードを被って買い物したよ
夜の暗いときだけ
踊りを踊っていたよ
それは本当に綺麗な世界で
人はうっとりしていたよ
安心していたよ
幸せに暮らしていたよ

2011/12/12 (Mon)

[357] 無題
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何にも入ってないんだ
ソーダもカルピスも
優しくなんかない
言葉は上手く使えたって
泣くことも笑うこともわからない
空っぽなんだ
他人を見てるとそう思う
何一つとして
この心には入ってないんだ

2011/12/11 (Sun)

[356] 月に背を預け
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月に背を預け
この詩を書いている
きみのいた世界を知らずに
ぼくは生きている
隣にはほほえむ姿が
あったはずなのに

涙の海に優しさがなくて
滞る時間の冷たさと歩く
きみと分かり合う時間は
もう忘却の彼方の一瞬となる
これっぽっちの心が
幸せそうに溶けて、消えてしまう

(青い空なんて見たくないよ
眩しい太陽なんて知りたくないよ
たくさんの声なんて聞きたくないよ
このままきみと眠りたいよ)

2011/12/10 (Sat)

[355] 銀河鉄道
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彼はひとりきり
凍りついた涙を温める術を知らず
彼女を待っていた
空き缶の溢れたゴミ箱
穴の空いたベンチ
外灯に集る虫が夜をさらに暗くする
星のない空を銀河鉄道は走れない
それでも彼は信じた
ただひとりきり
暗がりの向こうに広がる星の光は
彼にだけ見えていた

2011/12/09 (Fri)

[354] スプリーン
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僕のこと知ってほしい
君のこと知りたいから
夕べのごはんとか
見た景色とか
ありふれたことが
魔法のように解けて
塞ぎ込むことがないように

心細くならないように

2011/12/09 (Fri)
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