詩人:さみだれ | [投票][編集] |
私はさみしい
さみしさの中に悲しみもある
日は昇るたび冷たくなって
いつか凍りつくのかな
それはさみしい
みんな悪魔の鏡に手を出して
割れた欠片を我先にと
みんなさみしい
それじゃ神様は笑ってくれないよ
時間に遊ばれて
風化していく肌に
バラのとげを刺したって
血は流れないのと同じ
私はさみしい
さみしさの中に悲しみもある
月まで凍りついて割れてしまったら
もう眠ることさえできなくなるね
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チョコミントを欲しがる手は
いつまでたっても小さなもので
あなたは時にそれを疎ましく感じ
噛みついたりもした
今やあなたの手は誰よりも崇高なものになり
汚れた姿すら人々を魅了した
それでもあなたは歌うのか
死を並べただけのブルースを
あなたがすれ違ったものは人じゃない
あなたの知らない人生だ
あなたの選ばなかった人生だ
あなたが得られなかった人生だ
あなたはいつも気にしたね
自分の過去や現状を嘆いたね
それは他の誰も知ることのない
あなただけのものだ
それでもあなたは紡ぐのか
生きたいと言えないその詩を
何年、何十年と
あなたは紡ぐのか
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連れてって
遠い国へ
争いのない
穏やかな町へ
つまらないなんて
言わないわ
刺激がほしいなんて
言わないから
ねぇあなた
世界は丸いのよ
落っこちたりしないし
誰かが支えてるわけでもないわ
私は西へ行くの
あなたが東だと言うなら
そうすれば次に会うとき
話が弾むと思わない?
捕まえることのできない
蜃気楼の彼方
君は旅立った
私に羽がないばかりに
君と離れた時間が
もう始まっている
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ギターの音
初めて弾けるようになった音
大事にしなきゃ
そう思って弾いてきた音
朝の音
無機質なアラームの音
ハトが鳴いたから
今日も生きてるんだな
大丈夫
俺はちゃんと覚えてる
静かなときだって
俺はちゃんと聞こえてる
大丈夫
君はちゃんと信じてる
うるさいときだって
君はちゃんと見つめてる
心臓の音
そばにいるんだろ
大事にしなきゃ
どこにいたって聞こえてる音
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あなたは頬を緩ませて
毛布に包まり
寒空の三日月を
伝えられない
もどかしい思いを
息の続かない
胸の高鳴りも
三日月は食べてしまった
あなたは肩を抱きながら
きらきらした目を
誰に送っていたのだろう
誰へのテレパシーだったのだろう
欠けた月の片割れは
眠ったように
心まで静かに影を潜めた
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ぽつりぽつり
雨が降ってる
人がいなくなる
ぽつりぽつり
一人言を言ってる
帰り道を歩いてる
さみしい言葉
作ったのは誰
聞いてほしかった
さみしいと伝えたかった
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それは言ったよ
幸せそうに
町に降り注ぐ火の粉が
絵を描いているんだ
あたりを燃やしながら
虹色を作ろうと絵の具を選りながら
歌うたいは狂ったように
愛を捧げていたよ
ショップ店員はレジをほったらかして
愛を確かめたよ
隣人の隣人を思うことはなく
ペットを抱えて怯えていたよ
なぁ、それは言うんだ
幸せそうに
"見なくてもいいんじゃないか"
木星を過ぎた辺りから
なんとなく
なんとなくイメージはあったんだ
月とすれ違うときには
もう遅かったんだ
それは言うんだ
幸せそうに
"不幸に思うことはない
だからって何もかも
犠牲にしていいことはない"
そうやって
穏やかに微笑むんだ
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幸せなんて
空の上にしかない
喜びなんて
胃の中で溶けてる
愛してるなんて
海の底にしかない
君だって
マントルの向こう
"遠く
染み渡るような
そんなものだったらいいのにね
心がさ"
ゆらめく陽炎の中に
言葉は落ちてない
ささやかな食卓の上に
幻は現れない
微かに香る君の匂いが
窓の隙間から逃げていくように
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君と同じ詩を読んで
君と同じ気持ちになって
君と同じごはんを食べて
君と同じ食器を洗って
君と同じ夢を見て
君と同じ朝を迎えて
君と同じドアを開けて
君と同じ太陽を浴びて
君と違う涙を流して
君と違う夜空を眺めて
君と違う窓を閉じて
君と違う詩を書いて
君と違う過去を背負って
君と違う未来を待って
君と同じ朝を迎えて
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人は変わるよ
どんなに変わりたくないって思っても
人は変わる
それはたくさんの寂しさや
悲しい思いを背負うだろう
同じくらいの喜びや楽しみが待っているだろう
変わることは怖くないよ
変わらないものほど尊いものなんて
まだまだあるよ
新しいシャツを着てさ
ピカピカの自転車で駆けてくような
そんな気分も悪くない
いいものだよ