詩人:さみだれ | [投票][編集] |
土曜日の午後
列をつくって
給食のエプロン
真っ白の袋
ぶらぶら振り回したり
ぱふぱふ叩いたり
結局いつも同じところ
フックで吊って帰りましょ
あ、そういえば
遊ぶ約束
急いで帰ると
邪魔なエプロン
だけどちゃんと忘れずに
持って帰ってるから怒られない
また明後日持っていかなきゃな
そのときはよろしく
ランドセルのフック
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あなたは人に優しくしてるの
優しくされたい相手にばかり優しくしてるの
あなたは自分の位置を理解してるの
理解してなお自分を大事にしてるの
あなたは人に大事にされたくて
自分を売っている娼婦
あなたは自分のアルコールに酔っているだけ
そんなあなたがまともでいられるはずがない
あなたは幸せを望んでいないもの
そんなあなたが他人に寄り添えるはずがない
あなたはただ自分が欲しいだけ
あなたの心は誰にも行き渡らない
氷のような涙を痛いとか美しいとか
溶けてしまってからは忘れる
雲のような移り気な気持ち
ひとりぼっち
あなたはいつも可哀想ね
そう言われたいの
あなたはいつもかっこいいね
そう言われたいの
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ここは虹の中
神様のおなか
ベルが鳴ったら
二人は心静かに
耳をすませて
おでこを合わせて
手を取り合って
誓った口を閉じて
知らない世界の
素敵な催し
どこからともなく
羽をもった人が
拍手をするよ
道を開けながら
星のめあてが
教えてくれるよ
何も怖れなくていい
何も失わなくていい
手に入れたもの
大事にしなきゃね
ベルが鳴ったら
車に乗って
どこか遠くへ
晴れてるところへ
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苦手なコーヒーを
無理して飲んでる
蛍光灯がチカチカ
目がおかしくなるよ
窓を開けてみよう
真っ暗な町に
月が遠く
君が映りこむ
今日もまた
大事なことを言い忘れた
君は言う
ちゃんと伝わってる、と
そんな夜なら
苦手なコーヒーも
甘く感じておいしいよ
そんな日々なら
眠れない怖さも
吹っ飛んでいくよ
君がくっついて
眠ってしまった
いつまでもその寝顔見ていたいけど
もう眠たくってしょうがないや
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わかる
わからない
意味がわからない
僕は君じゃない
君は僕じゃない
悲しい気持ちも
楽しい時間も
わからない
わからせようとするけど
余計にわからなくなる
君は唯一無二
だからわからない
わからないから
わかるたび嬉しい
わかっていたなら
なんにも楽しくない
わかってるのが嬉しいんじゃない
わかったから嬉しいんだ
わかりたい
僕は君じゃない
君は僕じゃないから
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あなたの冷たな手に
ぬくもりを与えるよ
甘い甘い言葉に
ナイフをいれて
月面に立つ米国旗
さながらぽつりと
愛してるから
ひとりにならなくちゃ
このトゲは
あなたを困らせてしまう
大好きだから
ひとりにならなくちゃ
枯れたなら
あなたを悲しませてしまう
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強
それはこの世のものとは思えない
乾ききった大地にもたらされたスコール
喜びのあまり躍り狂う村人
サイダーが…うまい
中
生半可な決意では俺のハートを傷つけることはできないぜ
顔を洗って出直してきな
弱
魂が灰になる前に
私を包んでくれた
心が死ぬ度に
私を励ましてくれた
首振り
風を分けて
君と半分こ
べろが青くなったと
君は楽しそうに話す
テレビは高校野球の音
どっちが勝つかな
この時間が永遠じゃないこと知っているから
この時間を大事にしなきゃって思うんだ
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ちょっと!誰?!雷落としたの!
クレームが殺到してるんだけど!
いや、俺じゃな…
どうしてくれんの!?
まぁ落ち着け
とりあえず教会前のデモは私の使いを送ったから問題ない
う〜ん、でも時計塔壊れちゃってるね
そう!人々が何年もかけて築いた血と汗と涙の結晶!
それが壊れたんだよ!?
うわぁ…ミステイク……
なんかこう魔法みたいに復活できないんすか?
いやなかなか難しいと思うよ
神パワー結構削っちゃうし
あーーー!!あの人悲しみのあまり身を投げようとしてる
こりゃまずいな
おい、誰か神パワー分けてくれ
いやぁ今日家に忘れてきちゃってさぁ
堕ちろ!!
あら?なんかあの人説得されてる…
あ、帰った
あいつ無駄堕ちだったね
とにかく以後天変地異の際はあの方の許可をもらうこと
忘れないように
うぃ〜す
んじゃおつかれっす
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でたらめな絵を描いた
意味があるんだと言い張った
足を止める人はいなかった
それでもめげずに描いていた
あの絵描きはどこへ行ったのだろう
忘れてもいいようなことなのに
あの絵は誰の手にあるのだろう
見向きもされないような絵なのに
いつか忘れた夢が帰ってきた
そうはしゃぐ君が可愛らしくて
いつまでも夢が寄り添ってくれるように
はしゃぐ君のことを祈った
意味のない言葉なんてないだろう
もしも意味がないのだとしても
誰かが気づかせてくれるだろう
今は意味のないでたらめな詩でも
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陽を見送る度に
誰かが待ってる気がして
駆け出して帰る頃には
月が見送っていた
それまでのことが嬉しくて
誰かに伝えたくて
さみしくなった公園には
僕の思いが住んでる
聞こえてるかな
鈴虫の声に紛れて
君を呼んでるよ
帰ろうって誘ってるよ