| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
ベーコンをカリカリになるまで焼いてね
たまごは半熟がいいな
コーヒーは砂糖三つね
パンは…ないの?
行き交う楽隊
ソプラノだろうか
それにしても隣のビル
高すぎやしないか
まだまだ眠り足りないよ
テレビつけないで
でも占いだけは見たいな
時間が来たら起こしてくれ
誰が閉めたカーテンだろう
開けなくちゃ始まらない
太陽はそばで怒ってる
もう遅刻だぞ!って
ああそういやそうだっけ
そんな気もする
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
過去 現在 未来
道草食って 夢
どうせならもう
そこに居すわって
何食わぬ顔であなた方を見送ろう
(羊の毛皮をもって、佇むスーツ姿
"今しがた刈ったばかりなんだ"
ムササビのように広げて見せる
俺のはガラスの
どこにでもあるようなガラスの靴)
朝 昼 夜
寄り道ついでに 夕方
どうせならもう
そこに寝ころんで
花の蜜を吸いながら
あなた方の羽を眺めよう
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
自転車で坂を上る
重たい足枷にも
風が吹けば嘘のように
見つけてもらえず
神社の裏で待ってる
神様
どうか彼を思い出して
時計なんて飾りだ
気にしちゃいけない
それでも誰かが君を呼んでる
帰りなよ!って
のびた影を二つ
くっつけて遊ぶ
神様のにやけた顔が
雲に浮かぶ
それにも気づかないで
僕らは帰っている
穂の揺れる音と
カラスの輪唱
バイバイ
それが始まり
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
森の奥で
眠っている子
その首には
レイをしてる
知らない動物が祝福した
知らない幽霊がアーチで道を作った
さぁ行くんだよ
手をとって
木漏れ日から抜けて
森を背に
いってきます
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
レコードの針が
飛び出す頃には
私はきっと
変わっているはず
手の中の本が
破れないように
優しくそっと
ページをめくってる
この物語が
終わる頃には
雲が白みはじめて
色んなことが見えるはず
レコードの針が
飛び出す頃には
私はきっと
帰ってくるはず
明るいときには
読めない心も
今夜はきっと
読めるはず
その物語が
終わる頃には
みんな起き出して
色んなことが見えるはず
だから
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
涙は地下に
乾いた唇は海に
キスはだめ
命を削るわ
ごめんね
あなたのために泣けないの
つまりあなたは悲しく映らないの
喜びは屈折し
感情はバランスを無くし
繋ぐのは嫌
この手はあなたのものじゃないの
私のための手なんだから
出番を終えた雑貨
新しいものはそこに
いつもそう
魂なんてないのね
ごめんね
あなたがいなくてもいいの
だってあなた幽霊みたいなものでしょ
いるときはいて
いないときはいない
むなしい生き物なのよ
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
散らばった本
晒された月の痴態
うっとうしいカーテン
緑の曲線
与えられた赤と
掘り起こした青で
夕日を沈めた
今日も会いに来る
ひとりきりの逢瀬
抱擁する
一緒にいよう、と
タナトス
夢や現実を剥がしてくれ
理想や虚言を裁いてくれ
ことあるごとに僕を
抱きしめ惑わしてくれ
タナトスよ
確かな実像をあやふやになるまで粉々に
僕を星だと罵り
その身を寄せてくれ
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
自分には何もないんだろう
生きてる価値すらないんだろう
死んでいいなら、いいよ殺して
夜が明ける前に
心がちぎれるよ
体から、ゆっくり
それは魂?
星になるんだろうか
認められることも認めることもなく
与えられることも与えることもなく
壁が迫る夢と
鳥を撃った音と
水面を跳ねた石が
笑いにきた
理想や現実が
泣きついてきた
悪いけど
全部、ゆめ
見たことない、ゆめ
詩人めいた、ゆめ
死にかかった、ゆめ
恋をしたような、ゆめ
番狂わせの、ゆめ
闇のような、ゆめ
幸せだった、ゆめ
傷のついた、ゆめ
光るような、ゆめ
羽が生えた、ゆめ
落ちるだけの、ゆめ
帰りたい、ゆめ
| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
単純なことは寝かしつけよう
難解な言葉忘れてしまおう
単純な心遊びに連れていこう
難解な僕はお留守番さ
もぬけの殻
自由だ
単純なことは寝かしつけよう
難解な言葉はベッドの下
単純な心窓を叩いてる
もぬけの殻
自由だ
テレビの前
断続的な赤、青、緑
単純なことが落ち着いてくれない
難解な言葉クローゼットの奥
単純な心
今にも怒り出しそうな
単純な心
今、もうシーツに包まって眠った
眠った