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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[255] 鈍行列車
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過去 現在 未来
道草食って 夢
どうせならもう
そこに居すわって
何食わぬ顔であなた方を見送ろう

(羊の毛皮をもって、佇むスーツ姿
"今しがた刈ったばかりなんだ"
ムササビのように広げて見せる
俺のはガラスの
どこにでもあるようなガラスの靴)

朝 昼 夜
寄り道ついでに 夕方
どうせならもう
そこに寝ころんで
花の蜜を吸いながら
あなた方の羽を眺めよう

2011/09/04 (Sun)

[254] トワイライト
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自転車で坂を上る
重たい足枷にも
風が吹けば嘘のように

見つけてもらえず
神社の裏で待ってる
神様
どうか彼を思い出して

時計なんて飾りだ
気にしちゃいけない
それでも誰かが君を呼んでる
帰りなよ!って

のびた影を二つ
くっつけて遊ぶ
神様のにやけた顔が
雲に浮かぶ
それにも気づかないで
僕らは帰っている
穂の揺れる音と
カラスの輪唱
バイバイ
それが始まり

2011/09/03 (Sat)

[253] 森の子
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森の奥で
眠っている子
その首には
レイをしてる
知らない動物が祝福した
知らない幽霊がアーチで道を作った
さぁ行くんだよ
手をとって
木漏れ日から抜けて
森を背に
いってきます


2011/09/02 (Fri)

[252] スローブギ
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一度だけ踊ろう
凍りついた海の上で
人魚と船乗りは恋を始めたけど
僕らは踊ろう
夜が明けるまで
その曲が終わるまで

2011/09/01 (Thu)

[251] ステラ
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レコードの針が
飛び出す頃には
私はきっと
変わっているはず
手の中の本が
破れないように
優しくそっと
ページをめくってる
この物語が
終わる頃には
雲が白みはじめて
色んなことが見えるはず

レコードの針が
飛び出す頃には
私はきっと
帰ってくるはず
明るいときには
読めない心も
今夜はきっと
読めるはず
その物語が
終わる頃には
みんな起き出して
色んなことが見えるはず
だから

2011/08/31 (Wed)

[250] 生命反応
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涙は地下に
乾いた唇は海に
キスはだめ
命を削るわ
ごめんね
あなたのために泣けないの
つまりあなたは悲しく映らないの

喜びは屈折し
感情はバランスを無くし
繋ぐのは嫌
この手はあなたのものじゃないの
私のための手なんだから

出番を終えた雑貨
新しいものはそこに
いつもそう
魂なんてないのね
ごめんね
あなたがいなくてもいいの
だってあなた幽霊みたいなものでしょ
いるときはいて
いないときはいない
むなしい生き物なのよ

2011/08/31 (Wed)

[249] タナトス
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散らばった本
晒された月の痴態
うっとうしいカーテン
緑の曲線
与えられた赤と
掘り起こした青で
夕日を沈めた

今日も会いに来る
ひとりきりの逢瀬
抱擁する
一緒にいよう、と
タナトス
夢や現実を剥がしてくれ
理想や虚言を裁いてくれ
ことあるごとに僕を
抱きしめ惑わしてくれ
タナトスよ
確かな実像をあやふやになるまで粉々に
僕を星だと罵り
その身を寄せてくれ

















2011/08/31 (Wed)

[248] 投獄
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自分には何もないんだろう
生きてる価値すらないんだろう
死んでいいなら、いいよ殺して
夜が明ける前に
心がちぎれるよ
体から、ゆっくり
それは魂?
星になるんだろうか
認められることも認めることもなく
与えられることも与えることもなく
壁が迫る夢と
鳥を撃った音と
水面を跳ねた石が
笑いにきた
理想や現実が
泣きついてきた
悪いけど
全部、ゆめ
見たことない、ゆめ
詩人めいた、ゆめ
死にかかった、ゆめ
恋をしたような、ゆめ
番狂わせの、ゆめ
闇のような、ゆめ
幸せだった、ゆめ
傷のついた、ゆめ
光るような、ゆめ
羽が生えた、ゆめ
落ちるだけの、ゆめ
帰りたい、ゆめ














2011/08/29 (Mon)

[247] 単純な心
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単純なことは寝かしつけよう

難解な言葉忘れてしまおう

単純な心遊びに連れていこう

難解な僕はお留守番さ

もぬけの殻

自由だ

単純なことは寝かしつけよう

難解な言葉はベッドの下

単純な心窓を叩いてる

もぬけの殻

自由だ

テレビの前

断続的な赤、青、緑

単純なことが落ち着いてくれない

難解な言葉クローゼットの奥

単純な心

今にも怒り出しそうな

単純な心

今、もうシーツに包まって眠った

眠った

2011/08/29 (Mon)

[246] ミラージュ
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世界地図の真ん中
飛び出した僕ら
太陽が笑う
無謀だ、やめときな
丈夫な船と
いくらかの食料
いつだって僕ら
帰ってこれるさ
簡単な旅
光の航路
見送りも後腐れも
置いていくんだ
最高の旅
コンパスはプリズム
なんてことはない
いつだって帰ってこれるさ

2011/08/29 (Mon)
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