| 詩人:さみだれ | [投票][編集] |
寂しくなったら
枕元のイヤホン
アルペジオのイントロ
黙りこむ室外機
そろそろ天使が
虹色の羽の天使が
やってくるころだろう
窓から飛び降りて
ティンカーベルが撒いた光の粒
ああ飛べるんだっけ
どうでもいいことばかり増えて
飛んでるんだっけ
知らぬ間に覚めていた
薄明かりの中
誰にも言えない胸の内
保存しておこう
だってこれから
虹色の羽の天使が
窓からそっと
やってくるのだから
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退屈だと笑えば
忙しいと泣く
肩を叩くのは
いつも感情だった
だから今日は
君のために
誕生会を開いたんだ
机にクロス
シャンパンとごちそう
リビングには
プレゼントの山
好きなだけ甘えていいよ
嬉しいのはきっと
君だけじゃない
泣きそうなのは僕も
同じだから
肩を叩くよ
君から僕へ
僕から君へ
君から僕へ
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死ぬまで一緒に
そう言って死んだ
あの瞳はまだ
輝いていたのに
誰が置いたのか
百合の花が
うつむいている
私の隣で
遠い昔の話
たくさんしてあげるね
遠い先の話
たくさんできるよね
月明かりに映った
長い睫毛から
最後の涙
どこへ向かうの
地平線の先
大気圏の向こう
青い屋根の上
水溜まりへ
ちょっと昔の話
たくさんしてあげるね
ちょっと先の話
たくさんできるよね
遠い昔の話
たくさん聞かせてよね
遠い先の話
たくさんできるよね
もうすぐ今の話
たくさんするからね
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真っ白のシャツ
羽のついた
あひる口のあいつが来る
照明に消えた
黒いとこがない
スクリーンのような
うらやましいやつ
いつにもまして
輝いてる
これからずっと
輝いてる
輝いてる
眩しいよ
空に溶けていけ
お願いだから
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古い記憶の中
二段ベッドの下に
君が現れて
夕闇と夜の間の
静かな眠気を
耳元で囁く
声すら覚えられない
呼んだ名前
上手く書けない
振り向けばいつも
君がいるような
そこにいるならちゃんと
向かい合いたい
靴を忘れたのか
記憶を忘れたのか
この手にあるのは
君の何なのか
耳元で囁く
言葉は忘れちゃいない
君がそこにいたこと
上手く書けてるかな
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起きたばかりの気だるさをよそに
扇風機はブンブン回ってる
いつもなら眠ってる時間に
何をしようっていうんだ
窓の外では雨が降ってる
お出かけはできそうにないな
部屋にはひとりぶんの物しかない
もういっそ二度寝しちまおうか
いやいや見たいテレビがあったっけ
リモコンはどこにあるんだっけ
ああもう!誰が隠したんだ
見たいテレビがあるってのに
ひとりなのに胸が痛いや
誰が締め付けてるわけでもないのに
なんとなく悪いことばかり
考えてしまう日曜日
なんとなくいいことばかり
逃してしまう日曜日
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夢なら覚めたっていい
悪い夢なら
いいことだらけの毎日に
ぽつんとある夢なら
そのうちぽっかりと穴をあけ
そのうちうっかりはまっちまう
"今日はなんだか疲れたよ"
言い訳にして意地悪するよ
叱られるほどの仲じゃないし
まして慰めてくれるような優しいやつじゃない
そのうちひょっこりと芽を出し
そのうちひっそり咲くんだろう
夜は太陽がないせいか
ちっとも笑っちゃくれない
コーヒーを飲みすぎたせいで
眠れなくなったっていうのに
どこか遠い目をしてそっぽ向いて
返事は上の空
朝が来るまでずっと二人
そんなふうに壁を隔てて
そのうちちゃっかりと話しかけてくるんだろう
そのうちほっこりといつものように笑うんだろう
朝がきたからって
バタバタするんじゃない
こけて泣いたって知らないぞ
ほら言わんこっちゃない
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悲しい歌ばかり歌うなよ
愛に満ちた歌を聞かせてよ
苦しい嘘ばかり吐くなよ
優しい本音を聞かせてよ
何もないなんてため息で飛んでいけ
何かがあるから歩いてるんだろ
美しく飾るようなものなんて
本当は何一つないんだろう
ときには背中をくっつけて
泣いたりするときもあるだろう
たまには窓を開けて
朝を迎えるのもいいだろ
誰かがいなきゃできないこと
だから自分ってあるんだよ
拙い思いやりを躊躇うなよ
嬉しい声はすぐ目の前に
景色に溶けて隠れてる
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夕焼けより
素直になれる
月明かりより
明るくなれる
雨に打たれても
冷たいだけなのに
風が吹くだけで
飛べるような気がする
コバルト
連れていってよ
何でもありすぎる
そんな街に
大好きな人と
いつまでもいられる
そんな時間に
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言葉にできない
笑顔や泣き顔を
離さないでいられたら
どこへ落ち着くのだろう
遠回りした分
振り向いてくれるなら
どんな顔で追いついて
どんな言葉で詫びよう
話さなくてもわかる
心は単純じゃない
わかっててもたまにさ
わかっちゃうときがあるんだ
言葉にできない
笑顔や泣き顔を
する君の手を握っては
言葉にならない心を送ってる