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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[205] 彼女を讃える讃歌
詩人:さみだれ [投票][編集]

ただ静かに寄り添えば
あなたも静かに寄り添ってくださる
楽しくなって笑えば
あなたも楽しそうに笑ってくださる
僕がすっかり落ち込んだ日には
あなたは背中を合わせてくださる
僕が怒って怒鳴りつけると
あなたは雷鳴のごとく僕を叱る
僕が生きたいと言えば
あなたは一緒に生きてくださるだろうか
ああ!それだけのことが僕の心にざわめく

あなたが眠れないとおっしゃるなら
僕はあなたが眠るまで起きている
あなたが幸せでないとおっしゃるなら
僕はあなたのために幸せをかき集めるだろう
あなたが生きていることが嬉しい
そんな僕に慕いよってくださるあなたは笑い

なら私はずっと生きるわ
ずっと生きて愛するの

こんな彼女がほしいものだ





ヴェルレーヌ「心しずかに」に模して

2011/08/04 (Thu)

[204] 皆既日食
詩人:さみだれ [投票][編集]

彼女は色とりどりの花を並べて
ひとつの花瓶に挿した
窓から入る夜風に
花びらがひとつ離れて
枕元に落ちた
それからは夢の中
月が見せてるんだって気付いていた
だから朝が来れば
終わってしまうんだって思った

彼女は空が好きだった
どこにいても空を見上げて
そのたびに思いを馳せていた
頬を涙が伝うこともあったし
にこにこすることもあった
今この空は
彼女にとってどんな感情になるのだろう

素晴らしいって言いたかった
どんなことがあっても
世界は変わらない
そう信じていたから
あの日海に行った彼女は
泣いていたのだろうか
あの日海にいけなかった僕は
何をしてやれただろうか

夜は長いから嫌だと彼女は言う
昼は一緒にいられないから嫌だと僕は言う
彼女はいつも太陽のように笑う
遠くでは月のように暗い顔をした僕がいる
宇宙からすれば
それは長い長い距離なのだろう
ここからすれば
なんてことない時間のズレだよ
なんてことない距離なんだよ

2011/08/04 (Thu)

[203] 言葉
詩人:さみだれ [投票][編集]

言葉はどこかへ流れ着く
誰かの思いに吸い込まれる
本当の意味を伝えられないまま
あぶくのように弾けて
言葉はこんなにも形を変える
やわらかいときもかたいときも
本当に言いたかったのは
そうやってまた火が水になるように
嘘を繰り返している

言葉は誰のものにもなる
僕のそばを離れたら最後
会えたときにはぼろぼろになって
本当の意味を忘れている

涙はどこへ行くんだろう
胸に落ちるのかな
その胸に誰かの言葉が
どんな姿で寄り添ってくれるのだろう
言葉は行儀よくしてるかな
どうかお元気で
どうか幸せでいてください
今日も葉っぱの舟で旅に出ていく
長い長い旅に出ていく

2011/08/03 (Wed)

[202] トカゲの尻尾
詩人:さみだれ [投票][編集]

例えば星の明るい夜に
あなたの声を聞けたなら
それだけで昨日の悪夢も
昔の待ちぼうけも忘れられるのです
こんなにも幸せだと感じられることが
あなたのそばにあるのなら
それだけで悲しい歌も
鈴のように鳴るのです
私は私のことばかりを言うでしょう
例えそれは違うと知っていても
私はあなたのことばかりを話したいのです
あなたが私のことを話しているうちは

私は怖いのです
ただ不安なのです
裏切ることはしたくはないのです
だから突き放すのです
私は愛することに人一倍臆病なのかもしれません

例えば星の明るい夜に
あなたの心に触れたなら
触れた手を切り落とし
二度と生えてこないように
包帯を巻くでしょう
おそらく私は私の幸せしか見ていないのかもしれません
こんなにも月は近いというのに

2011/08/03 (Wed)

[201] 旅客機
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蜂蜜が垂れてる
月の裏側で
国を持たない人たちが
掬いとってる
生まれたときからの風習
当たり前
毎日が当たり前

海の固体化が進み
太陽は背を向けた
微笑みを欠いた人たちが
飛び込んでいる
生まれてからの非常識
信じられない
それを信じてください

壁から涙が零れるように
星がきらきら輝いて
物に命はないと信じた人が
掬いとってる
生まれたままの常識
疑わないことを
どうか忘れてください

2011/08/02 (Tue)

[200] ノイズ
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迷子の子供に自分の詩を見せたところで
その子は泣き止むのだろうか
今にも死にそうな誰かに自分の詩を見せたところで
その人は延命するのだろうか
愛のないセックスの最中に自分の詩を見せたなら
相手はどんな反応をするのだろうか
朝の目覚まし代わりに自分の詩を見せたところで
目を覚ましてくれるのだろうか
夜の眠れない閉塞感に
自分の詩は毒になるのだろうか

死にたいなら死ねばいい
ただそれだけのこと
幸せなら穏やかに
黙っていてほしい
耳に障るの
この詩は

2011/08/02 (Tue)

[199] 夢喰い
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彼は彼女に惑わされ

夢に閉じ込められてしまった

窓から見える現実にも

彼は見向きもせずに

今もまだ彼女を愛し待っている

年老いたとて

彼は夢を夢と認めはしないだろう

彼女の膝枕で眠り

今もまだ彼女は彼の頭を撫でている

夢を見ているであろう彼の頭を

現実は光となり部屋に入り込み

眩しさに目覚めた彼を

彼女は二度と待ってはいなかった

2011/08/01 (Mon)

[198] いつも
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いつも優しいから
いつだって優しくなれる
どこにいても変わらないから
どこにでも行けるんだよ

いつもさみしがってるから
いつもさみしくないように
どこにいても呼んでるから
どこかで笑っててほしい

ふとしたときに思い出せるくらい
あなたは身近にいる
年をとっても忘れないように
あなたを思っている

いつか言える日があったなら
恥ずかしくても喉の奥から引っ張り出すよ
いつか言える日があったなら
どこにいたって聞こえるよ
あなたがそこにいるから


POET10YEARS

2011/08/01 (Mon)

[197] 無題
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鉛色の空の下には
黒とも白ともつかない
悲しそうに流した涙は
雨になることなく
時間があるから死ぬことが怖い
時間がなければ永遠に生きられたかもしれない

心を鋭利に研ぐ
ひとりになりたいがために
丸くなった言葉では
何にも届かないような気がした

2011/07/31 (Sun)

[196] 白いワンピース
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青空に乗って
飛んでく帽子を
追いかける君は楽しそうに
砂に足をとられても
波がかかっても走ってる
つかまえたときに
僕に向かって胸を張る
いつまでも変わらないで

ときどき意地悪に
君を困らせるだろう
そのときはちゃんと叱ってほしい
ときどき下手っぴに
僕を困らせるだろう
そのときはちゃんと言うから
いつまでもそばにいて

青空に乗って
飛んでく心を
追いかける君は楽しそうに
つかまえたときに
僕にくれた心を
大事にしまっておくよ
いつまでも笑っててほしい

2011/07/30 (Sat)
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