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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[162] ブラックホール
詩人:さみだれ [投票][編集]

日向は遠い
敷居の向こう
誰かが過ぎれば
行けるのかしら
瞼を閉じた記憶
嘘でもいいから
もう一度だけ
星が見たいの
奪った光の数
誰にも知られないように
ポケットの奥へ
仕舞いこんでた
でもまだ足りなくて
誰かが過ぎるのを
指をくわえて
待っているの
日陰は涼しいけど
思い出にはならない
誰の胸にも
輝きはしない
奪った光の数
数えることもやめた
伸ばす手だってもう
疲れてしまったの
足を止めた記憶
嘘でもいいから
もう一度だけ
星が見たいの
眩しくないだけ
優しくなりたいの

2011/07/05 (Tue)

[161] 未タイトル
詩人:さみだれ [投票][編集]

楽しいことはあっという間に
嬉しい気持ちを連れ去って
悲しいことは永遠に
さみしい気持ちを伴って
喜ばしい朝の匂いも
いつからか鉛の空気
うだるような暑さの中
風がいつもより近く感じる

楽しいことはあっという間に
悲しいことは永遠に
見えないものはすぐ後ろに
聞こえたものはすぐそばに
いつかの夢は眠らずに
今日のことは忘れずに

嬉しい涙は半分に
さみしい背中はひとつに
楽しいことはあっという間に
溶けて明日に沁みていく

2011/07/04 (Mon)

[160] 心しずかに
詩人:さみだれ [投票][編集]

耳障りな音もない
目が乾くこともない
気持ち悪い汗もない
寒さも暑さもない
その夜には光が射して
空気のように漂う心
その頬には光が映って
行き交うものは何もない
ただひとつになったから
この世界はふたりのもの
さみしい気持ちも悲しい思いも
音もなく窓から去っていく
その夜には光が射して
もう光に溶け込んで
その髪には星を散りばめ
きらきらと輝いていた

2011/07/03 (Sun)

[159] 黄昏
詩人:さみだれ [投票][編集]



窓を叩く朝焼けを
鳥がなだめる晴れた日も
屋根に落ちた雨粒を
蛙が掬いとる曇り空も
拾うには遠すぎる
思いでの回廊を歩き
また君に出会うことがあっても

何色にもなれる鏡じゃなくていい
どんな色が綺麗かなんて悩まなくていい
僕の心を疑ってもいい
皺だらけになっても笑いかけてくれる
そんな君だからいいんだ

窓にすがる夕焼けを
烏が慰めるノスタルジーも
窓にすがる月影を
太陽が抱く夜のことも
捨てるには近すぎる
よくできた望遠鏡を覗き
また君に出会うことがあるなら


2011/07/02 (Sat)

[158] アイシャドウ
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夜が明ける頃に
おわかれをしよう
喧嘩してても
泣いてても
離れたらきっと
変われるよきっと
機嫌をとることも
好きになってもらおうとすることも
しなくてすむんだろうな

朝がわからなくなる頃に
よろしくの握手だ
心を探るような
見定めるような
そんな手じゃきっと
つまらないよきっと
仲良くなりたいんだよ

見てほしいから
おどけてみせるけど
これは違う
こんなの自分じゃない!
駄々をこねて求めている
涙を流して崩れていく

2011/07/01 (Fri)

[157] パフ
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君が無くした彼は
ひどくやつれたなりをしていた
気づいてなかったの?
幸せという言葉を彼が嫌っていたこと
君が愛した彼は
魂の抜けた人形のようだった
知らないとは言わせないよ
彼のものをすべて奪い取ったのだから
君は彼の目になれる?
なって幸せを見つけられる?
だめだよ
君の心も彼にしなきゃ
怖いだなんて
君は彼を愛していないの?
彼のことを知りたくはないの?

君が忘れた彼は
ひどくやつれたなりをしていた
荒んだ心か空っぽの心か
彼は生きた心地はしなかったのかな?
君はもちろん幸せだろうね
彼を忘れた君は

2011/06/30 (Thu)

[156] ルージュ
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自殺志願者の心の隙間に
手を入れて言うんだよ、君は
「死なないでね」って
それがまさか自殺志願者の心に毒のように浸透していくなんて
君は思ってもいなかっただろう
「めんどうね人間て」
そうだね、なんて賛同してしまえば僕らは恋に落ちてたのかな
だから今、君は数字以上他人以下
僕にとっては閻魔さま
はたまた神様なのかもね
そんなことが当たり前のように
記憶にこびりついていたら
君と僕の関係なんてものも
もっと早くからわかっていて
君の言葉に従いながら
生きたり死んだり楽にできたのに
「ふふっかわいいね」
とりあえず今だけは死んでも楽かな
「一緒にいようね」
とりあえず今だけは生きても平気かな
太陽のような微笑みもまた
赤い満月のような影に吸い込まれて
コウモリの羽を生やしたそれは
ゆっくりゆっくり長い爪を
心臓に見立てた心に突き入れていく
甘い蜜の夕焼け味を体に行き渡らせて
「ね、約束よ」


2011/06/30 (Thu)

[155] 小さな心
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小さな心で
いつも感じている
優しくなれたらいいのにな

君のこと考えて
いつも感じている
守ってあげられたらいいのにな

流れた涙を見て
今日も思っている
優しくなれたらいいのにな

ひとりになって
今日も思っている
心がもっと大きかったなら
君のことたくさん
いつも考えて
今も感じている
守ってあげたいんだ

2011/06/29 (Wed)

[154] 知恵の実
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肌に触れて
好きだと言う
心を見たくないがために
たったひとつの愛を
潰れるほど抱いて守っている
あたえてしまうことに怯えている
愛を与えるにふさわしい人を
たくさんの恋人から選ぼうだなんて
それが恋愛なら
つまらないものだ
愛を与えるにふさわしい人と
理解し合うまでの行程を恋愛と呼ぶんじゃないのか
付き合うことは賭けなんだよ
その先には一生か一瞬しかないんだから

2011/06/28 (Tue)

[153] 三日月
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照れくさそうに
顔を出してる
それを見て魔女が笑う
飛行機が通るたび
くしゃみをしているの
知っているよ

君が落とした鱗
誰かに見せたくて
本当は君に
一番見せたくて

太陽に伝えておくよ
君のこと話しておくよ
嬉しそうに飛び出した
その光が眩しすぎて
なんだか照れくさくて
影に隠れたの
知らないでしょ


2011/06/28 (Tue)
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