詩人:さみだれ | [投票][編集] |
神様が与えた幸運は
思わぬところに顕れる
あなたが頬杖ついて空見ていれば
UFOがぷかぷか浮いている
普段寄らない喫茶店に入れば
素敵な出会いが待っている
ベッドですやすや眠っていれば
楽しい夢が見られたり
風呂にとっぷり浸かっていれば
胸が大きくなっていたり
そんな一瞬を忘れた頃に
また幸運は巡ってくる
楽しみだなぁと待つよりは
何気なく生きていよう
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いつからか
楽しいと思えることが減った
泣くこともなくなった
ケガをして泣きじゃくって
ヒーローになって駆けずり回って
何かを失えば
何かが手に入るというなら
今、一体何を手に入れただろう
怒ることも
殴り合うこともなく
怖いことも
嫌いなものも減った
ぽろぽろ欠けていく何かを
繋ぎ止める術があるなら
何かを手に入れることもなかったのだろうか
何かを失うこともなかったんだ
さようなら
さようなら夕暮れ
さようなら
また会う日まで
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雨降りの夜
いつも探してる
君の声も
なんだか遠い気がして
また出会えない
それでもそばにいる
この心は大事にとってある
勇気なんて大層なものじゃない
希望なんて淡いものじゃない
振り返っても
いつものように
君の姿も
なんとなくぶれている
雨降りの夜
まだ君の声
少しも聞いちゃいないのに
名前みたいなありふれたものでも
約束みたいな些細なものでも
なんだっていいんだ
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グラスに一杯のミネラルウォーター
それだけであなたの両手は塞がってしまう
奮発して買ったステーキ
手をつけるのがもったいないなんて
たまには一輪挿しを置いて
ゆっくりと話しながら食べよう
パンをちぎるあなたの手を止めて
お腹がはち切れるほど幸せにしよう
あなたが赤らめた頬が
ハムみたいで笑ってしまった
あなたが怒って黙り込むと
ステーキは魔法のように消えていく
いつまでだって食べていたい
あなたと二人で食べていたい
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光の中
遠い部屋の窓
頭の中
逆流する過去
空の真下
夢みたいな風
遮る雲
落ち着かない心が
何度目かのため息
洗剤の匂い
昨日の夜が
嘘だったように
空を分けた飛行機雲
太陽の音
泣き言なんて
掻き消してしまえよ
誰かが起きた
色んな生活
色んな過去
色んな夢
色んな現在
行くべき場所
行こうよ
光の中
遠すぎた窓の外
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何度あなたの詩を書いても
あなたは見ていない
ずっと夢から覚められず
眠ったままなのはどっちだろう
現実って信じられない
夢の中かもしれない
あなたがいた場所は
どうすればたどり着けるの
忘れられないよ
青く暗い夜
忘れられないよ
その一言が
信じてもいいの
手を繋いだこと
信じてもいいの
二人きりの夜
本当は疑ってる
いないってわかってる
信じたいだけだって
本当は気づいてる
それでも忘れられないよ
心がひとつになったこと
今も忘れられないよ
あなたが好きだったこと
詩人:さみだれ | [投票][編集] |
私は死にたがり
私は生きていたい
私は幸せになりたい
私は人に優しくしたい
私は詩人でありたい
私は空を飛びたい
私は世界を見たい
私は人に愛されたい
私は泳ぎたい
私は宇宙に出たい
私は一人では生きられない
私は誰かにいてほしい
私は夢の中に
私は約束を守りたい
私から死を奪える
あらゆる事象がこの世にあるのに
私からは遠すぎた
私は生と死にすがりついている
みっともない姿ですがりついている
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もしかしたら
いるというだけで
幸せなのかもしれない
言葉が届くだけで
いいのかもしれない
見ていられるだけで
いいのかもしれない
触れられるだけで
幸せなのかもしれない
いないということは
幸せにはならないのだろう
信じるだけでは
嬉しくなれないのだろう
ただいるというだけで
本当は幸せなのに
そんな幸せを噛みしめないのは
おかしいだろう
もしかしたら
求めすぎていたのかもしれない
一緒にいたいなんて言えるのも
そこにいるからなんだ
幸せだって感じるのも
そこにいるからなんだ
だから、いてほしい
このだだっ広い世界のどこかにいてほしい
詩人:さみだれ | [投票][編集] |
太陽が月に微笑む
そんな当たり前のこと
どうしてできないのだろう
そこに飛行機はないのに
カラスも星も見あたらないのに
月が太陽を思う
そんな夢のようなこと
あるはずないだろう
あれはただの衛星で
恒星の光を受けてるだけなんだから
夢に生きた月
現実に生きた太陽
どこか不鮮明な光の中
互いを思いやれたなら
三日月に座り込む魔女も
日を浴びて実る果実も
同じ時間に生きられるのに
何もかも寄り添って生きられるのに
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何が悲しいのか
わからないくらい
涙が流れない
太陽を見すぎたようだ
ほんの少しの火薬が
胸の中にあるのがわかる
ほんの少しだから
爆発しても死なない
欠けているのだろう
生きている感覚が