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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[104] 光の点滅
詩人:さみだれ [投票][編集]

マリンブルーの髪の毛に
紫の煙が染みてくる
馬車に乗れない王子様の
苛々した貧乏ゆすり
そう
なんだって許せるわけじゃない
だからこそ許せるところを愛しているの

風のない町の時計塔
青い空にもやる気は感じられず
時間がないと焦る者
時間が感じられないから
そうやって歳を取って
いくつになったかも知らないまま
生きられたらいいのに

バビロンが見えたとき
僕らはまだ知らなかった
あれが人柱だってことも
神様に会うためだってことも
そう
それだっていつかは壊れて
悲しみに浸る
だからこそあり続けるために
頑丈に作る

ほどけないように
壊れないように
忘れないように

2011/05/27 (Fri)

[103] 理解不能
詩人:さみだれ [投票][編集]

好きなのに別れる
その意味がわからない
好きなのに忘れる
その理屈がわからない
好きだって気持ちにあれやこれやと
くだらないものくっつけて
それで泣いたり笑ったり
どんな仕組みになってるの
好きなら好きでいいでしょう
それ以上に何がほしいの
愛してるなら愛せばいいでしょう
そんなことで何を躊躇うの

相手を思う自分が好きなの
愛してるの言葉も嘘なの
相手を信じられないで
相手を思うなんてあり得るの
わからない

2011/05/26 (Thu)

[102] ブルー
詩人:さみだれ [投票][編集]

窓辺に佇む
あなたは月を眺めて
いつも楽しそうな横顔を
少し曇らせていた
まるでこれから世界が終わるかのように
静かに月を眺めて
何を思ってそこにいるんだろう
誰を思ってそこにいるんだろう

ツキがないと嘆く
あなたは遠い目をして
これから朝が来ることも
忘れてしまったのかな
まるで世界にひとりだけになったように
どこか遠い目をして
さみしさを紛らすように
話しかけてくるけど
あなたの言葉はいつからか
聞き取れないほど小さくなって
応えられないときにはもう
いなくなってしまった

2011/05/26 (Thu)

[101] 自殺志願者
詩人:さみだれ [投票][編集]

優しさのない
この心は誰のために
役に立たない
この身は何のために
怒らせて
傷つけて
殺した
この心はどうしてあるの?
この身はいつまであるの?

君は嫌いだっただろう
優しさのない、この心
君は好きじゃなかった
鋭く尖った、この手
逃げても
突き放しても
殺されても
この心はあり続けるのかな

生きている意味がわからない人を叱りつける
本当は死にたい僕の心が

死ぬことを論じた
優しさのない、この心は
生きていることを素晴らしいと言った
役に立たない、この身は
本当は死にたがってる
いつだって死にたがってる
この心は

2011/05/25 (Wed)

[100] 綺麗事
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夢の中では伝わらないこと
現実には感じられないこと
幻にあって、実体にないもの
人はいつだって一方を見落とす
だからこそ一方を真剣に愛する

瞬きすればわかる
過去が未来になったこと
声を出せばわかる
自分も他人もそこにいること
でも何もなければ
何も変わらなければ
息をしてることが
奇跡のように思えてしまう

そばにいなければ感じられないこと
遠くにいなければ信じ合えないこと
君にだって、できることはあるだろう
人はそうやって世界を覚えて
何かがあればこそ真剣に向き合える

2011/05/25 (Wed)

[99] 月影に添う
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幸せって
きっと人が何かを思えることなんだろうな
価値って
きっと一人じゃないとわかったときに確かなんだろうな
たぶんそれは自分だけの答えで
他人のマスには入らないだろうな

騙すことも傷つけることも
覚えたことに後悔はない
さみしい気持ちも悲しい涙も
感じたことはラッキーだった
たぶんそれは自分だけの思いで
他人の思いはもっと別な感じなんだろう

優しさって
誰かがいて初めて役に立つものだろう
喜びって
誰かがいなきゃつまらないものになるだろう
つらいって
人が何かを思いすぎたことだろう
幸せって
人が何かを思えることだろう

そう怖くない
怖くなんかないよ

2011/05/24 (Tue)

[98] 相合い傘
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手をとることも忘れて
かみ合わない話をして
それでもひとつの傘で
二人は歩いてる
いくつ年を取っても
話をすることもなくなっても
それでもひとつの傘で
二人は歩いてる
どっちの肩も濡れないように
身を寄せて歩いてる
行き先は二人でひとつ
時間がかかっても歩いてる

安いビニール傘だって
いかしたブーツだって
スーパーの買い物袋だって
全部ひとつで
二人は歩いてる
どっちの肩も濡れないように
二人は身を寄せて

2011/05/23 (Mon)

[97] 宇宙へようこそ
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思わぬところに現れた
ブラックホールに吸い込まれ
電波で届く君の声も
パタンと途切れてしまった

明くる日ベッドはもぬけの殻で
ガスが部屋を満たしてる
光が届いた君の光が
ほこりまみれの白い光が

言わずと知れた超巨星
自分の力を抑えられず
消えてしまう消えてしまうよ
光もなく音もなく

はしたない君の衛星
軌道はすでに決めてある
目指すはハロー
バルジでは会えないわ
そんな言伝ての光が届いた
それから何億年経ってんだろう
何万年ならまだ安心する
何年なら茶でも飲んでから
行くとするよ

2011/05/23 (Mon)

[96] 太陽の時間
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思うことでなんだか嬉しくなる
だからいつだって近くにいるようで
目を閉じても触れられる
ぬくもりだってちゃんとある
だからどこにいたってそばにいるようで
さみしくもないんだ

何でもないことでなんだか照れたりする
だから何をしていたってドキドキして
浮いたような気持ちになる
声だってちゃんと聞こえてる
だからいつだって近くにいるようで
信じられるんだ

思うことでなんだか嬉しくなる
だから今だって近くにいるようで
目を閉じても触れられる
手を繋いで笑いあって
約束をして眠りにつく
どんなときだってそばにいるようで
だからいつだってさみしくもなくて
信じられるんだ

2011/05/22 (Sun)

[95] テクニシャン
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一体誰の詩を真似ているんだろう
一体誰の言葉を使っているんだろう
一体誰の表現を模しているんだろう
一体誰の個性をものにしたんだろう

ひどい有り様
自分ではないと言いたいのだろう
苦しい言い訳
都合のいい偶然は必然である可能性
神様のありがたい言葉でも聞いたのだろう
それとも誰かの言葉?
わからない知らない
気のせいじゃない?
カビの生えた言葉に
ビーズを散らして飾る
うまいもんだな
いいセンスしてる

2011/05/21 (Sat)
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