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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[14] 魔法
詩人:さみだれ [投票][編集]

夜がない幸せを
彼女はさみしいと言う
変わらない日々なんて
楽しくないと
いつだってそう
魔法にかかったような
そんな世界が好きだった
(あなたの見ている世界をあなたは飽きているだけ)
なぁ、君は好きなのかな
羽のない僕のこと
魔法にかかってない世界を
君は愛しているのかな

"あなたは何も知らないだけよ
こんなに広いんだから
魔法にかかってしまったら
魔法のような景色も現象も
あなたは知らないままよ"

この夜も魔法のようなら
君の声は変わらないでいてほしい
そして世界が魔法にかかったなら
また同じ言葉を聞かせてほしい
魔法がとける前に

2011/04/07 (Thu)

[13] ただひとりのために
詩人:さみだれ [投票][編集]

ただ一人のために
私は生きていた
夢を見たいがために
眠れなくなった
ただひとつの詩のために
私は多くを捨てた
さみしい月に同情し
太陽を愛した
いずれ私は忘れる
幻を見たことを
目を覚ましたときも
記憶から抜けていく

ただひとつの答えがほしい
それが私を殺そうとも
夢を見ていない今
死んでしまいたくはない
ただ一人のために
私は生きているのだと
教えてくれていたならば
強く信じられただろう
そして私は忘れる
影を見たことを
夜に溶けたあとも
涙が止まらなかったことも

ただひとつの詩のために
私は多くを嫌った
世界を見る目も光を失い
人は誰もその目を知らず
ただ一人のために
私は生きていた
夢を忘れたばかりに
起きられなくなった

2011/04/06 (Wed)

[12] 澄ました顔で
詩人:さみだれ [投票][編集]

素晴らしい景色が

素晴らしい日々が

素晴らしい関係が

素晴らしい過去が

素晴らしい言葉が

素晴らしい体が

素晴らしい心が

素晴らしい表情が

素晴らしい世界となって

美しいと仰ったのでしょう
傷は深く

目は薄く

手足はやせこけ

君は遠く

甘ったるい砂糖の渦に

スプーンまでも溶けていく
素晴らしい恋が

素晴らしい友情が

素晴らしい愛が

素晴らしい信頼が

素晴らしい夢が

素晴らしい世界となって

美しいと仰ったのでしょう

汚らわしいと吐いたのでしょう

君を見た僕は

2011/04/06 (Wed)

[11] 知能
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他人の心を知ろうともせず
自分の心を押しつけた
おもしろいくらいに無頓着
それじゃ他人がかわいそう
そんな他人もまた自分で
心を誰かに押しつけて

一体君はどれ程の時間
他人を理解せんとした
他人に愛されたいのなら
自分を捨てる覚悟をしろ

かくいう私もエゴイスト
そんな世界を楽しんでる
おもしろいくらいに無頓着
他人の心に触れたふり

一体君はどれ程の時間
自分を理解せんとした
自分が愛したいのなら
他人を捨てる覚悟をしろ

重い、重い話のあとに
私はほろりと涙を流した
おもしろいくらいに無頓着
自分のためか、他人のためか

2011/04/05 (Tue)

[10] 星合の空
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僕は窓を閉めてたから

君の背を見られなかった

風がふわりと触る髪に

僕の手は遠かった


いくつの星座を見つけたら

君は入ってくるのだろう

暗がりに溶けていった

天の川を探しているの?


僕は窓を閉めてたから

君の背を見られなかった

僕が窓を開けてたなら

君のとなりにいられたかな


夜はいくつになっても

暗くて怖いけれど

星は年をとるたび

ひとつ、ひとつと消えるけれど


君がいつか堪えられなくなって

いなくなってしまっても

僕はいつもそこにいるよ

君がさみしくないように

君がかなしくないように

2011/04/05 (Tue)

[9] 夕凪
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作り慣れた山に
指で名前を
僕の国だ
君に威張った
君は木の枝で
砂浜に名前を
私の国
僕に誇らしげに
最後の風が
びゅっと吹いて
僕らの名前を
波はさらった
海でひとつに
なれたのかなって
僕らは手を繋いで
君が呟いた

2011/04/04 (Mon)

[8] 真夜中
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これは夢の中
眠ってるんだよ
楽しかったことを
反芻しているんだよ
明日のことを忘れてはいないよ
長い詩も書く気にはなれないよ
素晴らしい世界も
今は遠いところ
宇宙のように
漂いながら
星のように
生きたいと願いながら
おやすみとおはようが
同じ座標にあったなら
君がいるということなんだ
誰かがいるということなんだ

2011/04/04 (Mon)

[7] もしも
詩人:さみだれ [投票][編集]

もしこの世界に
戦争がなかったなら
平和を大切にできただろうか

もしこの世界に
悲しみがなかったなら
涙はどこへ流れただろうか

もしこの世界に
動物がいなかったなら
私たちは生きていられただろうか

もしこの世界に
勇気がなかったなら
死を望む人はどうしただろうか

もしこの世界に
ビルがなかったなら
風はもっと吹き抜けていただろうか

もしこの世界に
愛がなかったなら
君を思うことができただろうか

もしこの世界に
ヒトがいなかったなら
君を大切にできただろうか

もしこの世界に
空がなかったなら
輝くものは存在しただろうか

もしこの世界に
心がなかったなら
私たちは生きていられただろうか

2011/04/03 (Sun)

[6] lily of the valley
詩人:さみだれ [投票][編集]

谷底でうなだれてる
小さな音で鳴いている
そこに詩をつけたなら
町の人は歌うだろうか
リリィは泣いたよ
なぜ泣いたの
それはあまりに人気のない
じめじめとした底だったから
誰か歌を歌ってあげなよ
詩なら僕がくっつけるから

リリィは泣いたよ
なぜ泣いたの
誰も触れることをしない
ひとりきりの鈴だったから

2011/04/03 (Sun)

[5] 読者諸君
詩人:さみだれ [投票][編集]

さぁご覧遊ばせ
君が眠った夜の町を
君が眠った冬の町を
光ならそこいらに嫌というほど
嘆きながらも灯っているでしょ
いつの世も学ばなければ
君を取り巻く輩のことも
君を取り巻く鎖のことも
力の弱い者だけが
しがらみに苦しんでいるのです

飛んでいくんでしょ
君に逃げた者からも
君に受け継いだものからも
薄っぺらい脳の真ん中
やられてしまったのです

さぁ読んで!
君の定まらない形も
君の別れたあとの町も
君が恋した夕焼けも
君が謝った夜の夢も
詩ならそこいらに嫌というほど
嘆きながらも散らばってるでしょ

2011/04/03 (Sun)
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