ホーム > 詩人の部屋 > さみだれの部屋 > 晩年

さみだれの部屋


[106] 晩年
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

カウチに腰を沈め
来るはずのない客を待っていた
それは黄金のステッキを持ち
白い羽に憧れた同志だ
今となっては喋ることもままならない
痛ましい姿

救いを求めるのであれば
救わなくてはならない
まだ無垢で美しいその手では
できることなど少ない
心の中なら何とでもなるさ
そうもならない現実に生きているのだろう

積み重なった感情が
私をカウチに縛りつける
消えてくれない暖炉の火
安心して眠ることもできない
今、ノックが聞こえた
そんな夢を見たのだろう
白い羽が見えたような
たぶん、もう私は眠っている

2011/05/29 (Sun)

前頁] [さみだれの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -