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さみだれの部屋


[156] ルージュ
詩人:さみだれ [投票][編集]

自殺志願者の心の隙間に
手を入れて言うんだよ、君は
「死なないでね」って
それがまさか自殺志願者の心に毒のように浸透していくなんて
君は思ってもいなかっただろう
「めんどうね人間て」
そうだね、なんて賛同してしまえば僕らは恋に落ちてたのかな
だから今、君は数字以上他人以下
僕にとっては閻魔さま
はたまた神様なのかもね
そんなことが当たり前のように
記憶にこびりついていたら
君と僕の関係なんてものも
もっと早くからわかっていて
君の言葉に従いながら
生きたり死んだり楽にできたのに
「ふふっかわいいね」
とりあえず今だけは死んでも楽かな
「一緒にいようね」
とりあえず今だけは生きても平気かな
太陽のような微笑みもまた
赤い満月のような影に吸い込まれて
コウモリの羽を生やしたそれは
ゆっくりゆっくり長い爪を
心臓に見立てた心に突き入れていく
甘い蜜の夕焼け味を体に行き渡らせて
「ね、約束よ」


2011/06/30 (Thu)

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