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さみだれの部屋


[172] 星に見る人
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

幻は言った
"もう戻れない
君の言う時間や距離は遠すぎるの"
朝明け方の雀のように囁いて
どうしたって喜べない
だから夜のままで
"月と太陽は会えないの"
君が月か
俺が太陽か
わからないと悩んだことは
無駄だったのか
消えかけてる
はじめからいなかったように
いっそ俺も幻でありたい
はじめからいなかったように

"バイバイ"
幻は言った
楽しかった夕焼けの終わりに
"お父さんいないの"
幻は言った
静謐な部屋の前で
"ずっと一緒にいようね"
幻は言った
星明かりの中、手を握って
それから…──

2011/07/13 (Wed)

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