詩人:さみだれ | [投票][編集] |
あなたは夕暮れにも
月明かりにも似ています
どこであろうとよく映えて
よく笑い苦しんでいます
あなたは天使ではなく
だからこそ素晴らしい心を持っているのです
どうかそのまま変わらずに
忘れずにいてください
そう願ってはいても
あなたは形を変え、忘れていかれます
気づいていたでしょうか
星があなたの頬を染めていたこと
あなたが幸せに微笑んでいたこと
あなたのいない世界が
誰かにとっては死ぬほど寂しいものだと
私はついにあなたを見失いました
それは必然だったのでしょう
あなたの声は懐かしさの彼方へ
あなたの温もりは夢を離れ
あなたの純情な言葉も
日常という部屋の中から旅立ったのでした
それは調律を忘れたピアノのように歪なものなのです
やがて年を経るごとに
あなたは幼くなっていき
やがて私が死ぬ頃には
まだ存在すらないものになり
あなたはいなくなるのでしょう