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さみだれの部屋


[265] 満ち欠ける人
詩人:さみだれ [投票][編集]

あなたは夕暮れにも
月明かりにも似ています
どこであろうとよく映えて
よく笑い苦しんでいます
あなたは天使ではなく
だからこそ素晴らしい心を持っているのです
どうかそのまま変わらずに
忘れずにいてください
そう願ってはいても
あなたは形を変え、忘れていかれます
気づいていたでしょうか
星があなたの頬を染めていたこと
あなたが幸せに微笑んでいたこと
あなたのいない世界が
誰かにとっては死ぬほど寂しいものだと

私はついにあなたを見失いました
それは必然だったのでしょう
あなたの声は懐かしさの彼方へ
あなたの温もりは夢を離れ
あなたの純情な言葉も
日常という部屋の中から旅立ったのでした
それは調律を忘れたピアノのように歪なものなのです
やがて年を経るごとに
あなたは幼くなっていき
やがて私が死ぬ頃には
まだ存在すらないものになり
あなたはいなくなるのでしょう

2011/09/10 (Sat)

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