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さみだれの部屋


[317] 月世界
詩人:さみだれ [投票][編集]

船があれば
あなたのいる世界など
たった数日で行けるのだろう
波があれば
あなたに宛てた手紙も
いつかは届くのだろう
いつもここで
電波を待ってる
私を見つけて
迎えにきて
真っ暗な天井
太陽を避けた
クレーターに落ちた
涙はすぐに消えた
誰もいない
だから声の意味を失った
寒い夜ばかりの
私だけの世界
離れていくあなたを見送って
光も届かなくなるころ
私はあなたの知らないところで
死んでしまうのだろう

2011/10/20 (Thu)

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