夕凪に人魚は琴を爪弾く船乗りのいない孤独の沖でただぽろぽろと零れる金色の鱗もやがて水面に浮き 沈んでいく神様すらその心は知りえない少しずつ冷たくなっていく風を人魚は歌うことで温めていた何もいない孤独の海で
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