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さみだれの部屋


[406] アストロ
詩人:さみだれ [投票][編集]

彼女は色を変えて
悲しいけど涙を降らせて
長い長い冬を
ただただ手を温めて
終わるときを待っていた

彼女は時折影を指して
"君は楽しそうだね"
手を広げて
抱き締めてあげたいけど
"触れられないよ"

彼女は毎日のように
決まった道をなぞることしかできない
生まれたときからそうだったなら
生まれたのはどこなのだろう
人知れずそこにあって
消えていくだけなの?

彼女は熱を帯びて
楽しいけど手を振って
裏返しにした気持ちの奥
ただただ胸を押さえて
再び会うときを待っていた



この切なさを
人は拾えるだろうか
この美しさを
讃えられるだろうか

2012/03/01 (Thu)

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