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さみだれの部屋


[417] 光明
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鼓動が空の真ん中で
人を見据えて動かない


日常がコップに半分だけ
それだけじゃ動けない


通りすぎる人は
悪魔のふりして強がるさ
今に地の底から迎えの手が伸びるというのに


愛情に背を向けて
誇り高い道化師を避けたよ


心臓は海の底で
いけすかないタコと踊っている


光明が色や形を変え
私たちにはあるはずなのに


あるはずなのに


フラスコに入れて色を変える
金槌で叩いて形を変える


ひぐらしの鳴き声を嫌ったね
年頃の君にはみっともない光景


部屋という箱庭を
あなたは世界だなんて


気づかぬうちに掘り出して
埋めてを繰り返したものは何


黄昏を腕の中に抱いて
人は涙を流すことに快感を覚える


その空一面に広がる鼓動
私は見据えよう


心静かに見据えよう

2012/03/12 (Mon)

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