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さみだれの部屋


[424] リバー・サイド・ムーン
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

月が地球から去って何万年後か
残り少ない子供たちの中に彼女はいた
赤ん坊の頃に見た夢を彼女は覚えているという
それは古い昔に人類が失った物語のようだった


太陽が昇ると眩しくて目を閉じちゃうのは誰?
雲は楽しそうに泳いでいるのに
花や草じゃないの
もっとおっきなもの!
あれって何て言うのかな


彼女は感じていた
この空のどこかにぽっかりと穴が開いていると
そこには星も雲も鳥も
太陽すら入らない
残り少ない大人たちは笑った
そんなものはないよ、と
優しく
けれど冷たく諭した


まだ月が地球にいた頃
あるひとりの少年が願い事をした
神様には届かなかったかもしれない
けれど月は聞き入れた
にっこりと笑って















2012/03/18 (Sun)

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