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さみだれの部屋


[486] 慈愛の星
詩人:さみだれ [投票][編集]

月が微笑むと
太陽はにっこりと
そうして月が寄り添うと
太陽は愛しく擦り寄る
もし月が泣こうものなら
太陽は泣くだろうか
ならば今日から泣くのをやめよう
それから太陽は涙を流さなくなった

夕べ
星々はいつもどおり
それぞれの星座で団欒していた
人は子供を寝かしつけ
ある者は酒を飲んだ
海は心穏やかに
波は次の浜を楽しみに
鳥たちは眠りにつき
幼虫は繭の中に
街灯は気休めに
迷い猫を照らした
ひどくありふれた日だった

月が手を振ると
太陽は大きくもろ手をあげて
今度は太陽が手を振ると
月は寂しげに手を振って
それを見て太陽は寂しいと感じた
もし太陽が怒ろうものなら
月は怒るだろうか
ならば今日から怒るのをやめよう
それから月は声を荒げなくなった


2012/05/21 (Mon)

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