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さみだれの部屋


[515] メサイア
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

路地裏にいるあいつ
あいつは村八分にされた
みんなあいつをいじめた
石を投げて

あいつには居場所なんてなかった
親しいものもいない
あいつの頭の中には
ガラスの檻しかなかった

お前らは言う
孤独であることを誇らしげに
孤独であるがゆえに救ってほしいとさえ

あいつはクリスマスの日にも
石を投げられた
あいつにはもう声らしい声はなかった
ただ頭を抱えて

メサイアは
世界に数人足らずしかいない
そしてそれはここにはこない
神の声が聞こえるなら
本当に聞こえるなら
あなたはここに来て
あいつを抱き締めるはずだろう

あいつは動くことをやめた
声を出すことも諦めた
希望も、捨てた
視界を閉じて
あいつはガラスの檻に入った


2012/06/26 (Tue)

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