詩人:さみだれ | [投票][編集] |
魂を臆することなくひっぱたいた
世界は目眩のような
曖昧なものに成り下がった
だけどそれも一瞬
ほんの一瞬だった
お前たちは知らない
快楽に喘ぎ苦しむがいい
絶望のぬるま湯に溺れるがいい
見果てぬ夢を恥じればいい
気持ちは高かった
成層圏なんかもう見えないほどに
生物のいない
素敵な夜
この体が意味を持たない
だから死んでも無駄
あなたたちは誰かがいるから死ねる
そうでしょ?
誰かの言葉に傷つき死ぬ
誰かが葬式をしてくれるから死ねる
誰かに愛されているから死ねる
誰かのそばに行くために死ぬ
この素敵な夜
そんなものはない
必要ないんだ
命なんて概念は
魂に鍵をかけた
その鍵を砕いた
見果てぬ夢
世界は目眩のような
夕暮れの光の中