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さみだれの部屋


[606] お星さま
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

あの一際輝くお星さまが「嘘」だと言うのですから
夕暮れのバスに乗り合わせた私たちの
ありふれた運命とやらもぷつりと切って
本当に「嘘」になってしまうのでしょう
誕生日のロウソクを消すように
ふっ、と
夜の淵に吸い込まれるのです

ある国の宇宙船が
私たちを見下すために
高く高く
飛ぶ鳥のようにも
くじらのようにも見えるそれが
高く高く
私たちを置いてきぼりに
夢?希望?
いいえ
あれは満たされるための旅
私たちに権利なんてないのです
私たちは重力から羽ばたくことはできないのです

赤から青になって
増えたり減ったり
上が下になって
あったりなかったり
お星さま
残忍なお星さま
楽しんでいらっしゃいますか?
お星さま
愉快なお星さま
夕暮れのバスに羽を与えてください
お星さま
綺麗なお星さま
あなたは神様なのでしょうか
そうでなければ


2012/11/22 (Thu)

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