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さみだれの部屋


[616] spec-5.
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

お姫さまは言いました

"あなたの背ほどの木になりたい

それからあなたとたくさん話をして

同じ高さの空を見たい

何年たっても変わらない

あなたと長生きしたいの"



庭の木は静かに語ります

"あなたの背ほど小さくなれば

僕は早死にしたっていい

あなたと同じ高さの空を

少しだけでも見てみたい

その少しを目に焼き付けて

あなたが去ってしまったあとの

生きる糧にしたいんだ"


春の柔らかな風が

お姫さまの髪をふわりと

しかし

その木の高さには届きませんでした



2012/12/06 (Thu)

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