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さみだれの部屋


[705] 飛翔前夜
詩人:さみだれ [投票][編集]

優しい存在が私を殺す
無性に嬉しくて堪らない
まだ見ぬ希望?
遠くはないだろうね
僕は背中を無くしたんだ
羽だって生えやしないよ
飛ぶことさえままならないけれど
可能性ならまだあるさ!
たちまちそうなる話じゃない
つまり夢
滑稽な作り物

いざないたまえ〜
ここにいるよっ
それは優しい優しい
愛されなきゃいけないモノ
おいでませ!
ここですよ
影の懐に飛び込みなさい?
愛されて疲れちゃうわ
だったらねぇ
ここにきなよ…
腹一杯ご馳走するよ
素晴らしい価値観
安心の命
低価格の満足をあなたに!
それは優しい優しい
愛されて当たり前のモノ
(よくできた擬態とは違うわ)
願うなら好きになさい
ほ〜ら早く早く!
始まるなら唐突がいいのかな?
そう思うならさぁ
ここにきなよ…
三日月なんて
すごいとんがってるよ
思い出だって待ち兼ねてるよ!
なんてったって
優しいんだから
ぐずぐずしてないで


私が天秤を揺らしたから
世界は暗転してしまい
みんな夜の底に身をおいたのです
彼が座標に示したから
世界は居場所をなくし
みんな宙を漂うのです
君が手紙を寄越したから
世界は言葉を失い
みんなひとりになったのです
彼女が死を見詰めたから
世界は動かなくなり
みんな道に迷うのです

2013/06/28 (Fri)

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