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さみだれの部屋


[708] 地球表面上のランデブー
詩人:さみだれ [投票][編集]

月色の猫のしっぽが
腕にまきついてくるのが
世界の反対側にいるあなたに伝わる時代になりました
足がつかない不安や
目を開けられない恐怖は
マントルを貫いて
地球の最も弱い箇所へ向かいます
そこで優しさやさみしさの意図するところを知り
あなたに伝わるのです!
従順な地球人だから
僕はその事実に向き合う必要があるのです

なのに人々は悪いことばかり囁いて
心にばかり気をとられて!
枯れ葉の跡を追うこともせず
新芽にときめいてばかりいる
もて余した憂鬱が
プレートを震わせているのに
泣いているのに
苦しみや切なさを埋めるくらいなら
あなたになんて伝えない
僕は地球人だから
海に流す悲しみなんてないよ!

あなたのために生まれた世界なら
これ以上とない憎しみを僕は核に埋める
それが愛じゃないというなら
これ以上とない罵倒をあなたは核に埋めなよ
あなたが罵った本質が
これ以上とない親しみを僕に伝え
それが僕だと言ったそばで
あなたはどうするのだろうか

臆することなく間違い
再び考えることを始める
そうして月色の猫が
僕の腕を噛んだとき
世界は孤独であったことを
ふと忘れているだろう

2013/07/08 (Mon)

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