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さみだれの部屋


[720] ファントム
詩人:さみだれ [投票][編集]

精神が離別
肉体は可哀想
その感情の起点
空虚な私の何
種がなければ花は咲かず
種とは私
私は精神を失った
にも関わらず肉体が可哀想に思える
可哀想、可哀想ね
篭の外からの声
可哀想ねって言ってる
それは見ているだけの目
見つめるでも睨むでもなく
ただの石ころ
私も同じように見ているなら
私は石ころ
芽の出る邪魔をしている
そうして這い上がった目は
歪な形で笑える
色も変だし
項垂れてるし
可哀想、可哀想ね
精神が離別した私は
何を蔑むのだろう
ただ生まれたという価値しか持たない傍観者共は
何を哀れんでいるのだろう
離別した精神は
肉体を愛するくせに
離別した肉体は
精神を嫌うくせに
この篭の中には
大した哲学はないのに
私は無機質で
空虚でなければならないのに
この感情はいつ形を成し
どこから始まったのだろうか

2013/08/29 (Thu)

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