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さみだれの部屋


[824] 名前のない恋人
詩人:さみだれ [投票][編集]

名前のない恋人は
世界の何者にも認知されず
幽霊のように生かされ
鉛となった足を引きずる

名前のない恋人は
主体性を失い
隣り合う町の風景に
ヘアピンで穴を開ける

連動するものも
相対するものも
存在しないという幻想の内に
放り込まれたのだろうか

名前のない恋人は
生きている以上のことを
感じられないのだろうか

2014/08/05 (Tue)

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