流星の泣く声が聞こえたらいいのにね、と彼女は私の隣で呟いた窓に手を置いて身を乗り出して目を閉じる彼女の横顔から私は何も察することができない私は私ひとりの世界しか見ることができないと諦めてしまったから彼女から見た空は私が見ている空と違いないのだろうかときどき不安になる私は彼女の何もかもを知らないのではないか流星の泣く声が聞こえたら私は真っ先にあなたの方を見遣り流星の泣く声が聞こえたらあなたが何を思うのかを知りたい
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