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崩れない思い出
とうに、とうに
ボロボロなんだけど
微かに照らされているから
崩れない思い出
私に色をつけてくれるのは
残念ながら貴方しかいない
私を笑わしてくれるのも
残念ながら貴方しかいないんです
だから私はいつも灰色だし
いつも本当の笑顔じゃない
自分が本当に泣いて怒って笑っていた頃が懐かしい
貴方の事だけ考えるために生まれた
この世で揺るぎないものを
たった一つ
見つけた
哀しいです
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失った特技が沢山ある
少なからずあった才能も潰した
自らが潰してしまった
気付かぬ間に
私の為に書いた
先生からの手紙を見つけた
もう何年も前に
私を引き止めようとした
メッセージ
何を守るために
捨てたのだろう
何を伸ばすために
頑張ったのだろう
何に対して
疲れてしまったのだろう
自分のことなのに
分からない
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十代の頃の様な
日々の中の鮮やかさなんか
もう無くなって
嬉しい事があっても
もう特別な事じゃないのかな
はずみで涙が出るほど
本気で喜ぶことなんて
なかなかないのかな
青春だと言って
皆で海に行ったりしてみても
その真似事のような気がして
どうしてもそんな気がしちゃって
悔しいのかな
羨ましいのかな
悔しいんだ
羨ましいんだ
自分自身
何が変わったという程に
自覚はないのに
だから
当たり前の
たった、一度きりを
今更ながら
毎日に感じる
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止まったことは無い
ひたすら進んで
ランナー集団の足音を聞きながら
その最後尾になろうとも
足を動かし続けて
自分の速度など無かった
全ては集団が基準
右足を出したら
取りあえず左足を
そうすれば進むんだ
通りすぎた景色を覚えていない
何百という音に気付いていなかった
集団の息遣いは覚えているのに
彼等の顔を知らなかった
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十年前に捨てた部品を探したいんだ
イマまで息づいていたなら
捨てられた時のまま
そっと目をつむって居るだろうから
傍らに誰がいても君だけを取り戻そう
十年分の埃だけを食べてきた君を
愛しき君よ
捨てられた時のまま
愛しき君よ
捨てられた時のまま
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ここで感じ取る
ひとの日常
それぞれの考え方
激しい想い
それらが
私の肉になる
いつの間にか乗り越えた沢山の壁を背に
今二本足で立つことが出来るから
この場所を愛してると思う
言葉を他人に発することで
自分を
自分以外の人を
意識する
変化の先に
また言葉がある
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イメージをぶち壊せ
叩き壊せ
売り物じゃない
この顔
この体
この装い
このしゃべり方も
イメージを振り払え
蹴り飛ばせ
姫のように装って
裸の自分を見せれる?
見なさい
これが私
これが自分
裏切られたと言わせない
価値はイメージではない
そんなものいらない
睫の長い目
清楚な肩書き
柔らかい巻き髪
小さな胸
口の悪さ
おてんば擦り傷
矛盾だらけ
誰だって矛盾だらけ
複雑で割りきれない
つまらないように見えて
結構面白い
甘さも辛さも
純粋さも毒も
イメージじゃ測れない
イメージをぶち壊せ
イメージを振り払え
イメージなどいらない
素を愛なきゃ
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広い世界を見てみたい
知識ばかり増えても
経験は1年たっても1ミリ増し
この眼が覚えている景色も
この頭が覚えている動作も
種類が品薄
地球の真ん中で叫びたい
どこにも属さず
何も所有しない
誰も私のことを知らない
そんな世界で
誰にも見せたことのない笑顔をみせて
ダンスを踊って歌をうたい
皆に私を語る
そんな世界が突然現れたら
きっと私は泣くのだろうけど
そんな世界は本当はないから
知識だけが増えていくのだろう
変わらない
広い世界も見られない
だって私には格子が見える
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いくつも顔を作るのは
色を壊したくないから
カメレオンにはなれないけれど
微妙に変身は繰り返される
いくつもの側面が
ばらばらに
四方八方に飛び散ろうとして自分が破壊されてしまう
だから
仕方がなかったのだ
顔を作るのは。
「らしさ」を失うのが怖くて
その場の私を演じている
それぞれが思う
私らしさが違うのだ
友達が
家族が
仲間が
恋人が
思う
私の
らしさ
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あの子のスイカのように大きな口の笑顔も
もう見られなくなる
愚痴を落としたあの路も
もう歩けない
眠りを誘う
暖かくて心地の良いお気に入りのホール
ひんやりと緊張の空気が懐かしい英会話室
大キライだった英語
これからはちょっとだけ好きになろうか
全くどうしてれるの
もっと
もっと
輝いた世界が見たくて
夢を抱いて門をくぐったあの日
ガランとして賑わいにかける校舎
どうしてくれるの
ふわふわスウィーツみたいなのに囲まれて
ときめくことだって
想像よりずっと少なかった
キャピキャピした声の集合体は
もううんざりだよ
どうしてくれるの
さみしいじゃない
あなた達と離れるのが
さみしいじゃない
涙があふれてくる
笑えるわ
どうしてくれるのよ
さみしいじゃないの